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出版プロデューサーとは

出版プロデューサーとは?

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「出版プロデューサー」という職業をご存知ですか?
「プロデューサー」というと、「映画のプロデューサー」や「音楽のプロデューサー」「芸能人のプロデューサー」を思い出すかもしれません。

 たとえば、映画のプロデューサーは、日本語では「制作」という言い方をします。
 つまり、映画のプロデューサーとは、「映画の制作に責任を持つ人」のことですね。
 監督や脚本家、俳優やカメラマン、その他、大勢の技術者、そしてスポンサーまで、映画制作に必要な人々を集めて、映画の制作に責任を持つ……。
 それが映画のプロデューサーです。

 出版プロデューサーも、基本的な役回りは同じ。
「本の出版に責任を持つ人」のことを出版プロデューサーと呼びます。
 出版プロデューサーは著者を発掘し、出版社や編集者など、業界のプレイヤーとともに「売れる本」を作っていくことがメインの仕事です。

 世の中には現在は無名でも、「ノウハウや熱い想い」を持つプロフェッショナルが数多く存在します。
 しかし、彼らは、どんなによいノウハウを持っていても、
「どうすれば本を出せるのか」が分かりません。

 そのような「無名のプロフェッショナル」を見つけ出し、彼らの持つ「ノウハウ・想い」を出版企画書にまとめる。
 そして、その出版企画書を、最適な出版社に持ち込み、編集者にプレゼンし、採用してもらい、ベストセラーの誕生を後押しする。

 このように、無名のプロフェッショナルを著者として見出し、売れる書籍をプロデュースする存在が出版プロデューサーです。

出版プロデューサーの仕事は何か?

 では、出版プロデューサーの仕事とはどんなものでしょうか?
 出版プロデューサーは、本の出版に責任を持ちます。
 そのために様々な仕事を行います。

出版プロデューサーの仕事(1)

著者の発掘

 出版プロデューサーの最初の仕事は、著者を発掘することです。
 世の中には、「本を書きたい!」という人は多い一方、「でも、私には無理だ」と考えてしまう人も多くいます。
 出版プロデューサーもプロですから、「まったく売れる見込みのない本」を出すわけにはいきません。
 売れる見込みのない本でもいいから、どうしても本を出したい人は、自分でお金を払って本を作ってもらう「自費出版」という方法もあります。

 しかし、一般的な出版プロデューサーは、自費出版を薦めることはありません。
 出版プロデューサーは、あくまでも、世のなかに価値を提供できる、売れる見込みのある「商業出版」の本をプロデュースします。

 とは言え、売れる本を書くためには、「特別な才能」や「独自のノウハウ」「難易度の高い資格」などが必要なわけではありません。
 ごく普通のサラリーマンや主婦の方でも、その人の人生を深堀りすれば、必ず1つは「他人に届ける価値」が眠っています。

 言い方を変えれば、出版を希望する人の中に眠る「他人に届ける価値」を適切に引き出せる出版プロデューサーが、腕の良い出版プロデューサーということになります。

出版プロデューサーの仕事(2)

出版企画書の作成/アドバイス

 著者と出版プロデューサーの間で「出版プロデュース契約」を締結後、出版企画書の作成に入ります。
 出版企画書の作成は、大きく2つのケースがあります。

【著者自身が作成する】
出版プロデューサーからアドバイスをもらいながら、著者が作成します。
【出版プロデューサーが作成する】
著者をヒアリングして、出版プロデューサーが作成します。

 時間があれば、著者自身が出版企画書を作成してもよいでしょう。
 ただし、多くの著者は出版に詳しくはないので、出版プロデューサーに任せた方が、結局は、短時間で、品質が高く、採用される出版企画書が完成することになります。

 実は、
「出版企画書を著者が作成するか、それとも、出版プロデューサーが作成するか?」
 という問題は、それほど重要なことではありません。
 それよりも重要なことは、
「出版プロデューサーが、著者のUSPを存分に引き出せるか?」ということです。

USPとは:
ユニーク・セリング・プロポジションのことで、他の人にはない著者だけの「強み」のことです。

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 過去にベストセラーを出している出版プロデューサー、自分の名前で何冊も本を書いている出版プロデューサーは、間違いなく高いヒアリング能力を持っています。

 著者をヒアリングしながら、その人だけが持っているUSPを見極め、読者に提供できる価値を見つけ、それを最大化していきます。
 このようにして、出版プロデューサーと著者は、二人三脚で出版企画書を作成していきます。

出版プロデューサーの仕事(3)

出版社への企画売り込み/採用

 企画書が完成したら、出版社への売り込みとなります。  ここでは、出版プロデューサーの「ネットワーク」が問われます。  日本には、今、約4500社の出版社が存在します。

1年間に1冊以上、本を出版している出版社の数です

大手出版社、中堅出版社、小規模出版社から、そして、専門出版社から大学の出版局まで。
 もし出版プロデューサーが、著者の専門分野に強い出版社とネットワークを持っていなかったら、企画書の売り込みはできません。

 一方、様々な出版社や編集者とのネットワークを持つ出版プロデューサーであれば、
「企画書の方向性とベストマッチする出版社に、採用してもらうことができる」のです。


 さらに、その出版プロデューサーがベストセラーの実績等を持っていれば、出版企画書を持ち込んだ出版社から、
「ぜひ、その企画をうちで出版させてほしい」
 と言われることでしょう。
 出版社との交渉において、出版プロデューサーの実績が大きな影響力を持つのです。

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出版プロデューサーの仕事(4)

書籍の販促

 出版企画書が出版社に採用されると、本の出版が決まります。
 しかし、それだけでは不十分です。
 今、世の中はネット隆盛時代となり、出版不況を迎えています。

 そのため、どんなよい本でも、出版と同時に、徹底した販促をしないと売れない本となってしまいます。
 信頼できる出版プロデューサーは、「出版企画書の作成」や「出版社への企画売り込み」以外にも、「書籍の販促」に力を注いでくれます。

 書店周りやPOP作成のように、著者自身ができるものから、テレビ・雑誌・新聞に本が取り上げられるようなパブリシティの支援まで、書籍発売時の初動に勢いをつけることが、ベストセラー誕生の第1歩となります。

 現在は出版不況のため、1冊でも多くの本が売れるよう著者が努力する必要があります。
 良心的な出版プロデューサーは、書籍発売後の販促までサポートしてくれます。
 ただし、その内容は出版プロデューサーによって千差万別です。

 実際に、出版プロデューサーに出版を依頼するときは、あらかじめ、
「どのような書籍販促支援をしてもらえるのですか?」
 と確認することが必要です。

出版プロデューサーの仕事(5)

著者コミュニティの構築

 著者として1冊目の出版に成功すると、多くの方が2冊目、3冊目の出版を希望するようになります。
 しかし、無事に1冊目が売れても、2冊目、3冊目と出版を重ねる度に、売れなくなる著者の方もいます。
 そうした状況を打破し、「常に本が売れ続ける状況」を構築する方法が、「著者のコミュニティ作り」です。

 コミュニティ作りで大切なことは、ソーシャルメディアやメルマガなどを利用して、読者に有益な情報を継続的に提供し、ファンになってもらうことです。
 また、本のテーマによっては、ファン同士の交流の場などを設定することもあります。

 たとえば、「話し方の本」「営業の本」「株式投資の本」「不動産売買の本」などです。
 このようなコミュニティによって価値の提供を続ければ、著者の次の出版を楽しみにしてくれるファンを増やすことができます。

 しかし、販促まではサポートできても、コミュニティ作りまで支援のできる出版プロデューサーは非常に少ないのが現状です。
 そのような支援ができるかどうかも、出版プロデューサーの能力の1つと言えるでしょう。

出版プロデューサーの仕事……【まとめ】

出版プロデューサーの仕事について、主要な5つを説明しました。

  1. 著者の発掘
  2. 出版企画書の作成/アドバイス
  3. 出版社への企画売り込み/採用
  4. 書籍の販促
  5. 著者コミュニティの構築

 著者をヒアリングして魅力的な出版企画書を作るだけでなく、多くの出版社や編集者とのネットワークを持っていること、本を創るだけではなく、出版後の販促までアドバイスしてくれるなど、様々な能力が出版プロデューサーに求められます。

 もし、あなたが、
「本を出したい」
 と願っている場合は、最後まで面倒を見てくれる、実績、実力、信用のある出版プロデューサーを選んでください。