本は「集中時間」に書く ~いつ本を書いたらいいのか?
「私は、会社員で書く時間が取れません。いつ本を書いたらいいでしょうか?」
こんな初歩的な質問がよく来ます。
私は、迷わず「夜3時から朝6時まで」と答えます。
どんなサラリーマンやOLでも、夜の3時から朝6時までは執筆時間が取れます。
これが「集中時間」という考え方です。
夜中の3時は「草木も眠る丑三つ時」と呼ばれ、真夜中です。
このとき、人間は集中力が一番冴えます。
私は「執筆のゴールデンタイム」と呼んでいます。
なぜ、夜の3時が書くことに適しているのでしょうか?。
第1の理由は、起きたばかりで頭の疲れが取れています。
気力も体力も充実しているので、斬新な発想がどんどん湧いてくるのです。
第2の理由は、文筆に集中できます。
私たちが生活している24時間の中で、明け方ほど集中できる時間はありません。
夜3時から朝9時までの6時間は、実質的に昼間の2倍の時間に匹敵します。
たった6時間で、1日のすべての仕事が終わります。
「電話が鳴らない」ということが最も大きな理由です。
電話は一方的にかかってきて、こちらの時間と集中力を奪うある種の「暴力」で
す。集中力とは「ノリ」のことです。ノリノリにのって書いていたときに、電話が鳴っ
て、どうでもいい話を5分もしたら、もう二度と集中力は取り戻せ
ません。
夜の3時に起きてほしい理由は他にもあります。体が健康になるのです。
うつ病などを予防するメラトニンが分泌されるのが夜中の12時から3時くらいまで
だからです。
メラトニンは通称「若返りホルモン」とも言われ、体を健康な状態に保ってくれま
す。ですから、この時間帯に十分な睡眠が必要なのです。睡眠の時間帯はずらさな
いでください。
私はこの集中時間を利用し、1日に他の人の2倍の仕事をこなしています。
第1の仕事の時間帯は、夜3時から朝9時までの6時間。
第2の仕事の時間帯は、朝10時から夕方5時までの7時間です。
こうすれば、1日に2回の仕事時間が取れます。
私の1日のスケジュールですが、スタートは夜の3時です。
起きてから、果物や青菜を10種類くらいミキサーに入れて野菜ジュースを作りま
す。朝食です。そのあと、メールをチェックしたり、原稿を書いたり、本を読んだり、テ
レビの録画番組を見ます。1日の仕事の7割がここで終わってしまいます。
朝の10時からまた、新たな仕事がスタートします。
主に出版コンサルティングや編集者との打ち合わせ、本が出る作家と販促の打ち合
わせをします。場合によっては、セミナーに招かれて講師をやります。
日中、何も仕事の予定のないときは、サラリーマンやOLの人が働いている間に遊
びに行きます。映画も見られるし、落語も聴けるし、大江戸温泉にだって行けます。
鮨詰め状態の満員電車に乗ることもなく、どこにいっても施設は空いています。
「作家の1日のスケジュールを教えてほしい」とよく質問されるのですが、他の作家
に聞いても、「早寝早起き型」の方はかなり多く見受けられます。
実際にやるのはそう難しくはないです。まずは、夜の9時に寝て、3時に起
きてください。その後は驚くほど仕事がはかどってびっくりしますよ。
あなたも「1日を2倍に活用する魔法の集中時間」を、ぜひ試してください。