「取材拒否」が「取材歓迎」に変わる質問力 ~取材をするときの裏技を教えます
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あなたが作家活動を続けていくときに、避けられない作業があります。
それは、「取材」です。取材のやり方や必要性を知らない作家も多くいます。
もし、世の中に「本物の作家」と「そうでない作家」がいるとしたら、私は
本物の条件として、本を書くときに人や会社などをいかに「取材」しているか
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どうかを挙げます。
中身が薄い本は、明らかに取材不足です。
私はライター時代に、毎日、芸能人やスポーツ選手に電話をかけまくっていました。
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そのときに使っていた「必ずアポが取れる」㊨(まるひ)テクニックをお伝えします。
まず、取材対象者に電話をして、面会の約束を取ります。
このアポ取りの電話ですが、単刀直入に「取材をさせてください」ではダメです。
「今回はお断りさせていただきます」と丁重に断られてしまいます。
では、どのようにしたら「YES」と言ってもらえるのでしょうか?
【取材の裏技①】……取材相手に取材の方法を教えてもらう。
取材のアポイントメント取りの悪い例です。ほとんどの人がコレをやっています。
×「ぜひ、取材させてください」
正しいアポ取りは、こう質問します。
○「どのようにすれば取材させていただけますか?」
相手の立場に立って考えてみてください。毎日、いろいろな方から取材依頼が来る
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わけです。いちいち対応できないし、対応できない場合は「取材拒否」となります。
しかし、必ず、取材できる方法がひとつくらいはあるのです。
ですから、こちらから一方的に「取材させてほしい」とお願いするのではなく、
「何か取材を受けてもらう方法があるはず。それを教えてほしい」と頼むのです。
質問のしかたを変えるだけで、「取材拒否」が「取材歓迎」に変わります。
私はこの方法で、大物アーティストや政治家の取材を何度かセッティングしました。
そのとき、芸能マネージャーから教えてもらった、さらにすごい裏技もあります。
「新曲発表のときには、どんな大物ミュージシャンも取材を受ける」そうです。
これは、芸能界の力関係です。アーティストはレコード会社との契約で、新曲を発
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表するときにはマスコミの取材を受けるように言われているからです。
【取材の裏技②】……本の企画書をあらかじめ作成しておく。
取材をするにあたって、「本の企画書を見たい」と言われたら、本の趣旨をまとめた
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企画書をあらかじめ作っておいて、すかさずファックスします。
ファックスを送ったら、「届きましたか?」とその場で電話しましょう。
「最初から企画書を用意してくれていたんだね」と好印象をもたれます。
意外と、相手に要求されてから泥縄式に企画書を作る作家がいます。
それは取材者として失格です。
【取材の裏技③】……取材相手の利益になることを提案する。
取材を断られたといって、諦めてはいけません。
私は、ソニーやトヨタやキャノンやサントリーなどの日本を代表する大企業の本を
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作ってきました。ところが、最初に会社の広報部に直接電話をすると、あっけなく断
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られてしまうのです。しかし、そこでくじけてはいけません。
「この本が出ることによって、御社のイメージがあがり、リクルート活動にも非常に
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有益です。そういうことをやるのが広報のツトメではないのですか?」
と、いくつもメリットを書き出し、直接、広報部に行きました。
すると、今度は見事に企画がとおりました。
取材のコツは、じつは「熱意」だったりするのです。
取材相手はあなたの熱意を見て、信用できる人物かどうかを判断しています。