「いい本」は1%の積み重ねで作る ~ひと手間の積み重ねで「幸せな人生」が手に入る

 私は本を書くとき、「1%のマーケティング」を重要視しています。

「1%のマーケティング」とは、ほんのひとつでいいので、積み重ねることに

よって、結果的に全体の量や質がまるで変わってしまうという原理です。

 

 たとえば、「くちこみ」がテーマの本を作ったときには、ネット上でどの表記が一番

ヒットしているか調べました。当時、「くちこみ」のヒット率を100万件とすると、

「口コミ」は8000万件、「クチコミ」は6000万件という結果になりました。

 ということは、ネット検索で上位に来るタイトルは、和製英語の「口コミ」で、こ

れをタイトルに使ったほうが、よりたくさん本が売れるということなのです。

 

 1%の積み重ねは、わかりやすい言葉でいうと「ひと手間の努力」です。

 たとえば、文章を読んでいて、「この表現を少し変えるともっとわかりやすくなるよ

ね」と思うことがあります。そう思ったら、その場で修正をします。

 あるとき、私はビジネス書のキャッチコピーを考えていたときに、「投資」という言

葉が何だか難しく思えて、「お金がお金を生み出す」という言葉に変えました。「投資」

という経済用語よりはるかにわかりやすく、読み手に理解されると思いませんか?

 

 私は学研やひかりのくになどでたくさんの童話を書いています。

 お料理ロボットが厨房で料理を作るのですが、「厨房」という言葉は子どもにはわか

りません。その場合は、「台所の奥」という表現にします。

 

 このようにひとつずつ改善を繰り返すだけで、最初の母数にちいさな1が加算され

続け、結果的に全体を見ると、 30%も50%も成果が違ってくるのです。

 

 1は目に見えないわずかな数字ですが、足していったら、

 いつの間にか大きな数字になっているのです。

 

 この「1%のマーケティング」は、本が私に教えてくれました。

 常に「いい本」を作ることを考え、その本を1冊でも多く売ることを考え続けた結

果、自然と体得したことです。これは本作りだけではありません。

 

「すべての幸せは1%の積み重ねで達成できる」と言っても過言ではありません。

「人生で成功する人、成功しない人」の違いは、この1%の積み重ねで決まります。

 

 1%を積み重ねて悪い結果になるはずがありません。

 ビジネスも、受験も、恋愛も、家族関係も、すべてがうまくいきます。

 あなたの収入も、他人から受け取る愛情もアップします。

 環境や待遇もどんどんよくなっていきます。

 小さな積み重ねが、やがて目に見える結果となって返ってくるのです。


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