ベストセラーになる絶対条件は「民度の低い本」

2016年04月18日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■「民度の低い本」は、大ブレークします

前回のメルマガで、今売れている本は、
「半径3メートル」の実用書だということを説明しました。

そのためには、本の「民度」を落とすことが必要です。
そこで、また、質問です。

Q,「民度」とは何でしょう?

A,三省堂国語辞典では、「国民の文明生活の程度」と説明しています。

 「民度」とは、経済の発展具合を表します。
 生活水準や文化水準を表すときにも使います。

それでは、今日の本題です。

Q,本の「民度」を落とす、ということはどういうことでしょうか?

A,子どもが読んでも理解し、楽しめる内容にする、ということです。

「何だ、そんなことか?」

と、思った方もいらっしゃるかもしれません。
ただ、それがどれだけ難しいか、筆舌に尽くし切れません。
これは、著者が、生涯かけて追求していくテーマかもしれません。

吉田の尊敬する井上やすし氏は、
「民度」を落とす方法として、次の4つを提唱しています。

1,難しいことを やさしく
2,やさしいことを 深く
3,深いことを 愉快に
4,愉快なことを まじめに

ミリオンセラーというのは、100万部売れた本ことですが、
「民度の低い本」は、ときどき大ブレークします。

『バカの壁』 などが、その典型ですね。
『竿だけ屋はなぜ潰れないか』 なども、非常に民度が低い本です。
「女、子どももわかるような本」という編集者もいますが、
これは、決して悪い意味ではありません。

書籍の内容が深いものがあれば、民度を下げたことによって、
今まで、専門的な本を手に取らなかった読者が支持してくれるのです。

「ベストセラー」とは何でしょうか?
これは、吉田の極論ですが、ベストセラーとは、
「今まで本を読まなかった人たちが読んだ本」
の総称なのです。

■どうしたら「民度」は下げれるか?

具体的に「民度」の下げ方がわからない方のために、
もうひとつ、実例を説明しましょう。

当社の天才工場で5年前に制作をお手伝いし、
ミリオンセラーになった本に、
『動物キャラナビ』という本があります。

これは、占いの本ですが、なんと、
「陰陽五行説」をベースに、
「四柱推命」を動物で教えているのです。

Q,たとえば、あなたの前に、2冊の本があったとしたら、
 あなたは、どちらを選びますか?

1,「四柱推命」と書かれた本。
 生まれたときの干支の十干を、年柱、月柱、日柱、時柱という
 4つの柱にわけて、過去、現在、未来を占う本。

2,「動物占い」と書かれた本。
 生年月日からあなたの動物キャラクターを選び、
 対人関係がうまくいくかどうかを占う本。

どうですか?

「四柱推命」を本格的に理解するためには、
大変な時間と労力がかかりますが、
「動物占い」ならば、手軽に、知りたい人間関係の
一部分だけが、その場で読めてしまいます。

実は、内容的には、同じ骨子の本なのです。

「四柱推命」は、今から1500年前に中国で誕生した占星術書です。

「動物占い」は、それを現代的にアレンジし、占う対象の人格を、
狼、猿、黒ひょう、虎、コアラ、ひつじ、こじか、
チータ、ライオン、たぬき、ゾウ、ペガサスの
12キャラクターに分類しました。

「動物占い」は、「民度」を落とす手法としては、
最高のモデルケースなのではないでしょうか?

「民度」というキーワードを知っているだけで、
あなたの書籍の内容は、飛躍的に読みやすくなり、
たくさんの読者が手にとってくれます。

これから本を書く著者は、「民度」を落とす工夫をしてください。

出版愛 吉田浩