『企画の売り込み方』 PART1

2016年02月29日

こんにちは、出版業界のジャイアン吉田浩です。

私は、史上初の学生による学生のための
出版選手権「出版甲子園」という団体のを
2005年に立ち上げました。

毎年、学生たちが出版企画を持ち寄って、
出版社編集者の前でプレゼン大会を行っています。

私も出席していますが、毎回、学生たちの
エネルギーの高さに感動しています。

ちなみに、天才工場で以前インターンに来ていた子で、
「僕は出版します!」といって、本当に本を出して、
しかも、年間で複数冊出した学生もいました。

学生たちの若いエネルギーに負けないように、
ジャイアンも、「希望いっぱい、脂肪いっぱい」で
頑張ります(笑)

さて、前回は

「企画書」の書き方をお伝えしました。

さあ、「企画書が完成」したら、
いよいよ「企画の売り込み」です。

1700冊の出版を決めてきた私が、
企画書の売り込み方について、
3つの特別な方法をお伝えします。

本日の講座を動画でご覧になりたい
場合こちらのURLをクリックしてください。

⇒ 採用される5ステップ
 

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■ 企画が採用される5ステップ
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あなたの企画が採用されるまでの、
編集者の心理状態は、

下記の5ステップで表すことができます。

【1】注目……企画の存在に気づく段階。

【2】興味……企画に興味を持つ段階。

【3】欲求……この企画を本にしたい思う段階。

【4】記憶……著者のことを覚えている段階。

【5】行動……企画会議にかけて出版を決める段階。

企画書を売り込む8割の人は、
【1】の注目してもらう段階か、
【2】の興味を持ってもらう段階でつまづきます。

つまり、企画の中身を編集者に見てもらう前に、
失敗しているのです。

答えを教えましょう。

【1】と【2】を突破してからでないと、
企画書は見せてはいけません。

以前、私の講演会にゲストで来てくださった
サンマークの高橋編集長が、

「企画書は5秒しか見ません」

と言っていました。

つまり、新人の持ち込む企画書には、
たいして注目してないし、
ほとんど興味も持っていないから、
5秒しか我慢できないのです。

では、どうしたら企画書に注目してもらえるか、

興味を持ってもらえるか、

目を通してもらえるのでしょうか?

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■ 売り込みその1……対面で売り込む場合
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出版記念パーティーや、出版セミナーの懇親会などの
編集者が多く集まる場所に行くと、
編集者と知り合うことができます。

しかし、企画書をすぐに渡してはいけません。

まずは、一人の人間として「自己紹介」をして、
「人間として興味を持ってもらう」ことが大切です。

編集者は、基本的に質問するクセがあるので、
質問に対して、真摯に答えていきましょう。

そして答えの中に、企画書で書いた

「おもしろいエピソード」や
「実績」

を盛り込んでいくのです。

すると編集者は、

「この人は本が書けるのでは?」

と興味を持ってくれるようになります。

それでは、具体的な例を出して説明しましょう。

私の場合は、初対面の編集者と、このように話を進めていきます。

1、自己紹介

「はじめまして。出版プロデューサーの吉田浩です」

これが3秒です。

心理学の本によると、人は3秒で相手を判断するそうです。

そして、最初の3秒の情報の70%は正しく、
最初の3秒の印象はそのまま強く定着します。

名刺は特に重要です。

最近、ジャイアンは、生まれて初めて、
写真入りのカラー名刺を作りました。

写真はわざと怪しい写真を使っているので、
とても評判がいいです。

2、実績

「31年間で1700冊の本をプロデュースしています」

「1年間で100冊の本作りをお手伝いしています」

「今まで1000人以上の作家さんをデビューさせています」

実績には数字を入れるとリアリティがでます。

相手の編集者に、

「あっ、この人、何か、すごいな」

と思わせてください。

3、愛称

「『出版業界のジャイアン』と呼ばれています。

『ジャイアン』と呼んでください。

これは、作家の本田健さんが名付けてくれました」

健さんは私より年下なのですが、
私が最もリスペクトしている人であり、
人生のメンターでもあります。

健さんと親しいだけでも編集者は信用してくれます。

4、興味

企画書を売り込みに来ているのはわかりますが、
一方的に自分だけの話をするのはNGです。

相手の編集者にも興味を持ってください。

「編集者として何年くらい活躍されているんですか?」

「今まで、作った本の中で一番売れた本は何ですか?」

「今、どんな本を作っていますか?」

その出版社から出ている本で、
あなたが面白かった本や最近読んだ本があったら
それも編集者に伝えてください。

自分の会社から出している本をほめられて
気分を悪くする編集者はいません。

また、「出身地」や「大学」や「趣味」を自ら開示して、
相手との共通項をひとつでも多く見つけ出してください。

これが、目に見えない売り込みのコツです。

ただし、あくまで勝負するのは企画書の内容ですよ!

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■ 売り込みその2……郵送で売り込む場合
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私がプロデュースしている著者の
小池義孝さんのデビュー作

『ねこ背は治る!』
(4年間売れ続けて、現在、累計45万部)

の版元、自由国民社さんは、
一般の方からの企画書送付を受け付けています。

これは、かなり珍しいことです。

しかし、普通に送っては、
大量に送られてくる企画書の中に
埋没してしまいます。

なかなか「注目」してもらえず、
「興味」を持ってもらうことが難しいのです。

では、どうすればよいのか?

編集者の個人名を入れて、
一読者として、編集者のファンという立場で、
手紙を書くのです。

ただし、ウソを書いてはいけません。

企画書を売り込みたい出版社の本をたくさん買って、

「あ、この本好きだな」

と思った本のあとがきや奥付を見て、

そこに書いてある編集者の方の個人名を宛名にして、
心を込めて手紙を書くのです。

郵送で企画を売り込むときも、
人と人としてのコミュニケーションが大切なのです。

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■ 売り込みその3……メールで売り込む場合
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出版記念パーティーで名刺交換したわけでもない、

誰かからか紹介されたわけでもない。

そんな状態で、企画書をメール送付しても、
無視されるのが積の山です。

メールで企画書を送って、

「返事がない」

とモンモンとするよりは、

私がつくったNPO法人の
「企画のたまご屋さん」
を活用することをおすすめします。

企画のたまご屋さんの
出版プロデューサー23名が、
まず、あなたの企画書をチェックします。

その上で、出版社に売り込むに値すると
判断された企画のみが、
出版社の編集者に、

「紹介文つき」

でメールされるのです。

この、紹介文つき、というのがポイントです。

編集者は、基本的に、人を介してしか動きません。

素人の企画づくりにつき合っていたら、
編集者としての仕事が
一向に進まなくなってしまうからです。

編集者は、
「本を書きたい人に時間を割きたい」
とは1ミリも思っていない。

本が売れそうな人にしか
興味を持たない。

これくらいの意識でいた方が、
編集者に対しても失礼がなくなります。

今日お伝えした方法で売り込みをしていくと

「一度お会いしませんか?」

と編集者からお声がかかるようになります。

そのあとに、どうしたらよいか
それは来週お伝えします。

出版愛 吉田浩