『タイトルの決め方』 PART2

2016年01月25日

こんにちは、出版業界のジャイアン吉田浩です。
ミリオンセラーとなった『マネジメント』の
著者で有名なP.F.ドラッカー氏ですが、

ドラッカー氏の教えにならい、
ジャイアンなりの「いい本」の定義があります。

ドラッカー氏は「会社」について、
『顧客の創造』といいます。

ジャイアンは「出版」について、
『読者の創造』といっています。

どちらも、
「幸せなお客さん(読者)を作ること」と言えますね。

そこから生まれた、ジャイアンなりの
「いい本」の定義は…
『読者が幸せになり、作家がもっと幸せになる本』です。

これからも「いい本」をたくさん作っていきます!
さて、今回の内容は、
「タイトルの決め方」です。

先週は、ジャイアン流の

「企画の5ステップ」

1.読者対象
2.切り口(コンセプト)
3.内容
4.仮タイトル
5.タイトル

の、仮タイトルまでやりました。

今日は、

100個以上の仮タイトルから
どのようにして1つのタイトルを決めるのか
お伝えします。
本日の講座を動画でご覧になりたい
場合こちらのURLをクリックしてください。

⇒ 企画を立てる
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▼5.タイトル
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100個以上ののタイトル候補の中から、

『本を出したい人の教科書』

に決まるまでには、1ヶ月くらい時間がかかりました。
最後の最後は、この2つに絞られました。

『本を出したい人の教科書』

『はじめて本を書く人の教科書』
では、ジャイアンは、どうやってタイトルを決定したのでしょうか?

ジャイアン出版塾生に協力してもらい、
約100人に、どのタイトルがいいかを
直接、聞いていきました。

こんな意見がありました。
『本を出したい人の教科書』の読者対象は
「(潜在的に)本を書いてみたいなあ」と思っている人。
より多くの読者層を狙える。

「初めて本を書く人」より
「本を出したい人」の方が単純にパイがデカい。

「初めて本を書く人」は、プロ志向で深く狭いのでそれはそれであり。
ターゲットの作家志望レベルによる。

「初めて本を出す人」は、初心者が対象だけど、
「本を出したい人」は、すでに本を出している人も対象に入るので、
より読者対象が広くなる。

『本を出したい人の教科書』に賛成です。
本を出したい = 誰でも出せる
本が出版される!ところまでイメージできるからです。

本を出したくていろんなことをチャレンジしている人全般が
手に取ると思ったからです。

「本を出したい」=願望
願望の人は、「教科書」を買わない気がします。

「本を出したい人」を選んだ理由は、こちらの方が敷居が低そうで、
自分にも関係があるかも、と思う人が多そうな気がしたからです。

「初めて本を書く人の教科書」なら、
未経験の人のために、丁寧に解説されているだろうと思う。

ジャイアンさんのノウハウは、
2冊目、3冊目に本を書く人にも勉強になります。
だから、「初めて」という言葉はいらないと思います。

『本を出す人の教科書』が良いと思います。
出したいと言う言語は、出していない現状がちらつくからです。

人の心理をくすぐっているところが、良いですね。
「本をいつか出したい人」という、ふわふわした印象を受けました。

「初めて本を書く人」という言葉に反応する人の中には、
今まで、本を書くということを全く考えていなかった人からも、
「私でも本が書けるかもしれない」と瞬間的に思う人もいるでしょう。
正直いうと、ジャイアン自身は、

『はじめて本を書く人の教科書』

に一票入れていました。
そして、発売日が何度も延期されながら、
ついに、4月10日になりました。

当社のスタッフが、ふと、
何の記念日かを調べてみてびっくり!

なんと、4月10日は、偶然、

「教科書の日」だったのです!

「4よい 10図書」で、
4月10日を「教科書の日」に制定したそうです。
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■ なぜ、仮タイトルを100個も考えるの?
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話を仮タイトルの作り方にもどしましょう。

企画の切り口(コンセプト)が決まったら、
仮タイトルを最低100個考えてください。
仮タイトルを100個考えることで、
切り口(コンセプト)がどんどん
洗練されて行きます。

要するに、自分が書きたかった本の
中身が分かってくるのです。
それでは、仮タイトルから本タイトルを
どうやって決めていくか、
その流れを説明しまょう。
1、仮タイトルを100個考える。

2、その中から10個選び出す。

選ぶ基準は、
「このタイトルなら売れそう」です。

タイトルから「現世ご利益」が感じられることが必須です。

3、10個のタイトルをさらに修正していく。

4、10個の中からひとつのタイトルを選ぶ。
私の本の場合は、

1.『いい本を書きましょう!』

2.『本は書くほうがおもしろい!』

3.『はじめて本を書く人の教科書』

4.『本を出したい人の教科書』

5.『作家になりたい人が最初に読む本』

という5つの案が出てきて、

最終的に、4番目の

『本を出したい人の教科書』になりました。
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■ ダメなタイトルとは?
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ここで、ダメなタイトルについて
コーチしましょう。

ダメなタイトルが分かれば、
いいタイトル作りのコツがわかります。
たとえば、ジャイアンがやっている
出版セミナーで、経営者の方に、

「タイトルを考えてください」

というと、よくこんなタイトルが出てきます。

『営業マンは足で稼げ』

『社員は給料では動かない』

『経営者は朝一番に会社に行きなさい』
でも、よく考えてください。

これって、当たり前のことですよね?

●ダメなタイトルその1
当たり前のことをそのままタイトルにしてはいけません。
ネーミングだけの
かっこいいタイトルをつけたがる方もいます。

『フラワーロード』
詩のようなタイトルは読者に響きません。

『チャレンジャー』
自伝はタイトルになりません。

『ブレークスルー』
マーケット業界の言葉はタイトルにならないのです。

タイトルだけ聞いてもわからないのです。

内容がイメージできないのです。

内容かイメージできない本を読者は買わないのです。

●ダメなタイトルその2
かっこいいネーミングだけのタイトルを付けてはいけません。
映画や文芸のようなタイトルもいけません。

それは、有名な著者だけに許されるタイトルです。

ちゃんと、ご利益が感じられるようなタイトルにしてください。

ご利益とは、「本を読むと何が学べるのか」がわかるということです。
『本を出したい人の教科書』は、

タイトルから、

「読者対象」はだれか?
どんな「内容」が書かれているのか?
どんな「ノウハウ」学べるのか?

中身がある程度イメージできますよね。

ダメなタイトルを知ることで、

「いいタイトルとは何か」

わかってきたのではないでしょうか。

来週は、

仮タイトル100個も考えられないよ・・・
という方にとっておきの

100個以上のタイトルをらくらく考えられる
テクニックをお伝えします。

お楽しみに。

出版愛 吉田浩