出版業界の裏話、出版コードの見方を知ってますか?

2020年10月14日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

ちょっと、出版業界の裏話をします。

皆さんのお手元にある本の裏表紙を見てください。

そこには、「出版社コード」なるものが描かれています。

まず、最初に、「ISBN978-4」と書いてあるでしょう。

これは、日本という国の名前を意味します。

昔は978-4という番号はありませんでした。

昭和になって、世界でたくさんの国が独立しました。
国が増えたから番号で管理するようになったのです。

次の桁が出版社コードです。

たとえば、日本一出版点数の多いKADAKAWAは、04です。

これは、日本で4番目に古い出版社であることを意味しています。

講談社は06です。
KADAKAWAよりほんのちょっと設立が遅かったんですね。

岩波書店なども一桁の番号を使っていますね。

ですから、これが数が多ければ多いほど、あとからできた出版社だと分かるのです。

たとえば、中央公論新社は12番。

自由国民社の番号は、426。
426番目にできた出版社と思っても間違いではありません。

■出版コードを与えてくれるのが取り次ぎという神様

さて、問題は、国番号の次の数字です。

これは、その出版社で今までに出した本の数です。

たとえば、KADAKAWAは、
2桁の数字のあとに、6桁の番号がかいてあります。

これはね99回×99万冊、本を出してもいいですよという
出版枠を保障する番号てす。

最後のひとけたは、「チェックサム」、
つまり「管理番号」と呼ばれています。

文字列が正しく読み取れた取れたかどうかをチェックする数字です。

今まで、並んでいた数字に計算式があり、
その管理番号によって、本につける数字が間違っていたら、
自動的にエラーがわかる番号なのです。

テレビの予約コード、Gコードと同じような原理だと思ってもいいでしょう。
いくつかの複雑な情報を何桁かの数字で表すことができるそうです。
その原理は秘密で、特許になっているそうです。

ほとんどの出版コードは12桁になっているのですが、
その12桁の数字を入れると最後には1つの数字しか出てこないようになっています。

これがチェック機能を果たしているのです。
間違っているとエラーが出てきます。

実は、バーコードも最後の桁は「チェックサム」なのですが、
ほとんどの方は知らないと思います。

さて、さらに、ここで問題があります。

「チェックサム」の前の番号に注目してください。

ここで数字が1桁の出版社は、かなり新興の出版社で、
取り次ぎが、本を日本中の書店に配本するのを
あまり好ましく思っていないかもしれません。

たとえば、アチーブメント出版は、セミナー事業の会社ですが、
こちらの数字はたったの2桁です。

ですから、99冊までしか本が出せません。

では、100冊になるとどうなるかというと、
その手前の数字がひとつ増えるのです。

このように、小さな出版社は取り次ぎから、
たくさんの本を作ることを規制されています。

新しい出版社は割り当てが少ないのです。

さて、今回のブログの結論ですが、
「できるだけ、国番号のあとにある数字は、
3桁以下の出版社から本を出してください」です。

3桁以下なら、歴史のある出版社であることがわかります。

出版コードの数字を見れば、出版社の格付けまでわかります。

そして、その出版コードを与えてくれるのが「取り次ぎ」という
出版社にとっては神様的な存在です。

「取り次ぎ」は書籍の流通を担当している問屋、卸売りのようなものです。

全国のどの書店にどれだけの本を配布するか、
また、出版社の本の印税率まで、すべて取り次ぎが決めます。

出版愛 吉田浩