「複業作家」でいきますか? 「専業作家」になりますか?

2020年09月28日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■その作家宣言、ちょっと待ってください!

吉田の周りには、本を書いて出版するたびに、
5万部、10万部と、売り上げる方がたくさんいます。

中には、1年間に10冊も本を書いている方もいます。

それらの方は、みな本業をもっていて、出版はいわば副業なのです。

本業があり、副業で本を書いている著者のことを、
吉田は、「複業作家」と読んでいます。

さて、「複業作家」の中には、本があまりにも売れるので、
そちらを本業にしようと考える方がいます。
本業と復業の関係が逆転します。

これが、「専業作家」です。

さて、今回のブログは、
「複業作家」から「専業作家」になるための注意点です。

ちょっと、本が売れたからといって、作家業だけでやっていくのは
かなりリスクがあります。

どこに危険が潜んでいるのか、探っていきましょう。

1、本業と復業の収入バランスが5対5になっているか?

今やっている仕事と、出版の仕事の収入比較をしてみましょう。

たとえば、本業で年収600万円稼いでいる人が本を出したとします。
本は1万部くらい売れて、印税が70万円くらい入ってきました。

すると、本業と復業の収入バランスは9対1となります。

まず、これが5対5くらいにならないと話になりません。

2、1年に2冊、2万部以上売れる本が書けるか?

コンスタントに本が売れるか?

コンスタントに2冊目、3冊目の執筆依頼が来るか?

専業作家になるためには、これらの条件を
完全クリアしていないといけません。

目安としては、1年間に2冊以上本を書き、
それが1冊平均、2万部以上、売れること。

それが、専業作家になってもやっていける条件です。

3、作家としてのベースは何か?

専業作家になる場合、継続的に出版していかなければなりません。

ほとんどの専業作家には、自分の基盤があります。

たとえば、カウンセラーなら心理学、
マーケッターなら集客ノウハウ、
税理士なら法律などです。

あなたには、オンリーワンの専門性がありますか?

スペシャリストとして、常に情報やノウハウをインプットしていますか?

本を書くベースが枯渇すると、1年で食えなくなってしまいます。

■それでも、専業作家を目指す人へ

出版によって収入も安定し、
コンスタントに執筆依頼も来て、
自分の専門分野の見識も深めている方へ。

ここで、初めて、専業作家になる道を選択できます。

あなたが専業作家になりたいと本気で思っているならば、
次の3つのものさしを使って、未来の可能性をはかってください。

・収入のものさし。
 将来、食べていけなくても作家を続ける自信があるか?

・時間のものさし。
 一生を費やして、書いていける自身があるか?

・情熱のものさし。
 生涯、書くことで自己表現していけるか?
 世の中に何かを残したいか?

すべてに、「YES」と答えた方へ、
ぜひ、専業作家の道を歩んでください。

会社人間として、一生稼ぐ生涯賃金が2億5千万円です。

専業作家になると、その額が半額になるかもしれません。
逆に、それ以上、稼げるかもしれません。

専業作家は、「夢」と「現実」を常に秤にかけて、
執筆活動をしていかなければなりません。

しかし、世の中に対する影響力は、断然、作家のほうが高いのです。

出版愛 吉田浩