死ぬほどおもしろい出版合宿

2020年08月19日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■究極の出版セミナーは、「合宿」にあり

吉田は、以前、早稲田大学のオープンカレッジで、
「週末作家コース」というのを長らく教えていました。

ここから、たくさんの作家が育ち、
出版業界にデビューして行ったのですが、
ここに通う受講生たちと、出版合宿に行ったことがあります。

これが、滅茶苦茶おもしろかったので、今日は、その話をします。

人数は、12人。
場所は、那須塩原。
池袋からバスで往復しました。

交通費と宿泊費はひとり1万円くらいです。
今は、かなり安いバスツアーがたくさんあります。

このメルマガを読んでいる方の中には、
そのとき、一緒に参加した方もいますよね。

かなり懐かしいと思います。

さて、吉田は、温泉ホテルに着くと、まず、
先生と生徒という関係を壊しました。

全員にネームプレートを配り、そこに、
新しい名前を書き込んでもらいました。

●ルール1、下の名前をひらがなで書く。

●ルール2、濁点か半濁点をつける。

●ルール3、合宿中は、必ず、その名前で呼ぶ。

ちなみに、吉田のファーストネームは「浩」なので、
「ひろし」→「ぴろじ」となります。
「ぴろじ」では呼びづらいので「ぴろし」としました。

こんな感じで、全員、名札をつけ終わったら、合宿がスタートです。

男性部屋のひとつをセミナールームにして、
そこに全員集まり、まずは、ガイダンスからはじめました。

合宿での達成目標のひとつは、
「出版企画書を完成する」ということです。

合宿のプログラムとしては、こんな感じです。

●時代背景の認識
今、どんな本が売れているか、徹底的に書き出す。

●本のテーマ設定
トレンドを押さえながら、自分の本のテーマを書き出していく。

●内容の差別化
類書との違いを考えていく。

●企画書作成
フォーマット通りに、企画書を作成していく。

●各自発表
個別に企画書を発表し、それに対して参加者が意見や感想を言う。

●ベストセラープログラム
どうしたら本を売ることができるか考える。

●共著企画
個人のテーマができた人は、共著という形でも企画書を作成していく。

でもね、ここでひとつ問題がありました。

実は、バスツアーの参加者は、
無料で「りんどう湖ファミリーパーク」の入場券がもらえて、
さらに、送迎までしてくれるというのです。

ここで、吉田は、すべての合宿プログラムを後にずらして、
「りんどう湖に行くぞーっ!」と、
半ば強制的に、全員を誘って、湖まで出かけてしまったのです。

■出版合宿で何が学べるのか?

合宿は、それでも、プログラム通り進んでいたのですが、
ただ、夜、夕食に酒が入ったら、もう、アウトです。

みんな、乱れに乱れました。(笑)

夕食のときに出たビールが余ったので、
吉田は、部屋で飲もうと、浴衣の中に隠して、大宴会場から持ち出しました。

ところが、欲張って、ビール瓶を5本、浴衣の中に隠したのが大失敗。

大瓶のビール瓶、5本って、ツルツルしてえらい持ちにくいんです。
しかも、冷えているビールは水滴で、手がすべる。
これを隠し持つなんて、半端ないくらい大変なことなんです。

移動中、吉田は、廊下で2本、ビール瓶を落っことしました。
間の悪いことに、そのとき、瓶のフタがはじけ飛んでしまいました。

落下の衝撃が加わり、ビール瓶が生き物のようにくるくる回転し、
あたりかまわず、泡を巻き散らかしました。

床一面、ビールの泡だらけ。
あたりは悲惨な状況です。

「やばい、やばい、やばい!」

吉田は、現場から逃げました。
受講生も慌てて、一緒に、逃げました。

あのころ、吉田は、年間、
30回くらい出版セミナーを開いて、いろいろと講演していました。

でも、なかなか出版合宿なんてやりません。

出版合宿は、講師にとっても受講生にとっても、貴重な体験です。

そして、出版合宿には、さまざまなメリットがあります。

1、短期間に集中して作業ができる。
  企画書を一晩で書くことができます。

2、短期間に大量の情報を身につけることができる。
  吉田も朝から夜中まで話通しました。

3、客観的な評価をしてもらえる。
  主観だけで作るのではなく、客観的な意見をもらえる。

4、グループワークが可能になる。
  チームで知恵を出し合って作り上げることもできます。

5、参加者がみんな親友になる。
  全員が主役なので非常に親しい人間関係ができます。

合宿のメリットは、他にもたくさんあるのですが、
吉田は、一番、大切なのは、5、ではないかと思うのです。

普段、私たちは、仕事の世界に生きています。
どうしても、ビジネスが中心になります。

そこにあるのは、
お客さまとセールスマンの関係だったり、
社長と社員の関係だったりします。

吉田は、その人間関係のしがらみを打ち壊したかったのです。

だから、まず最初に、肩書きを捨てさせ、
講師自ら、「ぴろし」になったのです。

普段、私たちは、利害関係の中で生きています。
ビジネスの世界では、人権関係よりも「お金」が優先するのです。

ところが、出版には、利害関係はありません。

合宿に集まっている参加者は、それぞれが
「本を出す」という目的のもとに集まっている「同志」です。

通常の社会生活には、この濃い関係が存在しないのです。

だから、いったん肩書きをはずして、ただの「少年」「少女」に
なった受講生たちは、いきなり弾けました。

どうなったかというと……。
皆さん、明け方4時、5時くらいまで飲んで、
翌日、吐いたり、ぐったりしていました。

社会生活で、「吐くまで飲む」という濃い人との付き合い方は、
まず、ありません。

出版合宿は、それが日常的にあります。

ですから、吉田は、合宿は非常に「怖い」反面、
とっても大好きなのです。

そのときに合宿に参加した受講生は、
吉田のことを、今でも、「ぴろし」と呼んでくれます。

これは、とても嬉しいことです。

出版愛 吉田浩