会社や人を取材するにはどうしたらよいか?

2020年02月28日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■取材でYESと言わせる「わがままテクニック」を公開!

自分が作りたい本に取材の必要が生じた場合には、
その対象となる会社や人に取材しなければなりません。

まず、取材先、取材対象者に電話をして、
必ず、アポイント(面会の約束)を取るのが基本です。

このアポイントの電話ですが、単刀直入に、
「取材をさせてください」では、ダメです。

「今回はお断りさせていただきます」
といわれるのがオチです。

では、どのようにしたら、YESと言ってもらえるのでしょうか?
今回は、そのテクニックを全公開します!

●裏技1

取材のアポ取りの悪い例と、いい例をあげます。

× 「ぜひ、取材させてください」

○ 「どのようにすれば取材させていただけますか?」

ほとんどの人が、前者の悪い例でアポ取りしています。

吉田は、ライター生活が長く、週刊朝日でフリーの記者をしていたとき、
後者の方法で、かなりの高確率でアポ取りに成功していました。

「おまえ、どうしてそんなに取材ができるの?」
と、週刊朝日の編集長に聞かれたとき、こう答えました。

「相手にどうしたらいいか聞くんですよ。
 普通は冷たく断われる取材も、こう聞くと、
 逆に、相手がどうしたらいいか親切に教えてくれるんです」

「あなたのやり方に、こちらが合わせます。だから、取材させてね」
という姿勢を見せることが大切です。

●裏技2

また、一度、取材を断られたといって、諦めてはいけません。
2度目の申し込みには、承知してくれることがあるからです。

吉田が代表を務める天才工場では、
ソニーやトヨタやキャノンやサントリーなどの
日本を代表する大企業の本をたくさん作ってきました。

ところが、吉田が会社の広報部に直接電話をすると、
あっさり断られてしまうのです。

そこで、
「この本が出ることによって、御社のイメージがあがり、リクルート活動にも非常に有益です。
 そういうことをやるのが広報の仕事ではないですか?」

と、いくつもメリットを書いて、もう一度、広報部に掛け合いました。

すると、今度はすぐに企画が通りました。

「熱意」が通じたんでしょうね。
「ごり押し」が通じたんでは決してありませんから。

●裏技3

取材をするにあたって、「本の企画書を見たい」と言われたら、
本の趣旨説明をまとめたものをあらかじめ作っておいて、すかさずファックスしましょう。

まあ、これは裏技というより、基本中の基本なのですが、
意外と、相手に言われてから泥縄式に企画書を作る人がいます。

そんな人は、失格ですね。

●裏技4

取材に行く日は先方の都合のよい日時を優先させてください。

でも、あなたには、あなたのスケジュールがありますよね?
そんなときには、どうしますか?

先方のスケジュールを自分のスケジュールに合わせてほしい場合、
どうしたらいいでしょうか?

ここでも、相手の心情を害さないようなアポイントの取り方が必要です。

たとえば、あなたのスケジュールが月末の29日と30日しか、
空いていなかったとします。

ここでも、悪い例といい例を紹介します。

× 「私は29日と30日しか、空いていません。
 どちらかの日程でお願いできませんか?」

○ 「29日か30日でしたら、いつでもおうかがいすることができます。
 この両日のうち、ご都合のよろしい日時をご指定いただけますか?」

というのが合格です。
自分の都合だけ伝えたら、相手は「何て勝手な人だ」と思うでしょう。

場合によっては「それなら来なくて結構!」と、
取材そのものを拒否されてしまうかもしれません。

一見、相手に日時を指定する主導権があるようですが、
実は自分の都合に合わせてもらうわがままなテクニックです。

■取材のときにやってはいけないこと

アポ取りができたからといって、喜んでいてはいけません。
これから、大事な本番があるのです。

取材のときに、「帰れ!」と言われた人を吉田は、両手で数え切れないほど知っています。

「そんな人いるの?」と思うかもしれません。
ものすごく、たくさんいます。

●タブー1

遅刻する人。

ほら、多いでしょ。

映画監督の大島渚さんを吉田の知り合いの編集者が取材しました。
指定時間に5分遅れて行ったのですが、大島監督は会ったとたん、

「今日(の取材)は、なし、なし」
と言って、そのまま事務所のドアを閉めたそうです。

たった5分でも、遅刻は遅刻なのです。

「5分くらい、いいでしょ」という方へ。
それは、間違いです。

銀行のATMなんて、業務終了時間を1秒過ぎたって、閉まってしまいます。

●タブー2

インタビューを録音する場合があります。

その際には、必ず、
「テープを取らせていただいて構いませんでしょうか?」
と、一言断るのが常識です。

テープレコーダーをドンとテーブルの上に置いて、
いきなり会話を録音しはじめた男性ライターさんがいます。

彼は、大作家さんから、怒鳴られました。

●タブー3

相手の話を聞きにきたのであって、自分の自慢話をしないことです。
「そんな人は、いねーよ」と思っているでしょうが、
これ、意外と多いのです。

●タブー4

相手の話を否定しない。
これまた、大変多いのです。

吉田は、経営者の方を対象に数多くの出版コンサルをしているのですが、
そのとき同席したライターさんが、
「私は、違うと思います」とか、
「そんなこと、ありません」とか、
平気で相手の話を否定するので、びっくりすることがあります。

●タブー5

相手が「これは、オフレコでお願いね」と言ったら、
これは「書かないでほしい」ということです。

吉田の知り合いの著者は、「オフレコ」の意味がわからず、
内緒話を全部、自分の本に書いてしまい、あとから取材者に訴えられました。(笑)

「オフレコ」を、「ここだけのとっておきの話」と思っていたそうです。
まあ、そりゃあ、確かにそうなんですが……。(笑)

「オフレコ」とは、「オフ・レコーディング」の略で、
「テープレコーダーには記録しないでほしい」という意味です。

十分注意してください。

出版愛 吉田浩