情熱で本を出す人、ヘタレで本を出す人

2019年11月27日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■情熱のある人は、必ず、本を出す

Q,本を出すための一番の近道は何ですか?

A,「自分は必ず、1年以内に本を出す!」と宣言することです。

モチベーションの高い人は必ず本を出します。
情熱は、一種の才能です。

情熱のある人は、「努力」「根性」「一生懸命」という言葉が大好きです。
こういう人には、出版プロデューサーは不要ですね。

さて、この情熱ですが、
「本を出せればいいなあ」とか、
「いつか本を出したい」と思い込むだけでは、まだ弱いです。

「自分は将来、本を出すと決まっているのだ!」
と、自分の潜在意識に思い込ませるくらいがちょうどいいのです。

具体例を紹介しましょう。

童話作家の工藤直子さんは、出版社に30年間勤めた後、
童話作家に転身しました。

工藤さんは出版社に勤務していた時代から、常々、
「自分は50歳になったら童話作家としてデビューする!」と周囲に宣言していました。

それを聞いた会社の人の中には、
「そうは言っても、童話作家なんて、そう簡単になれるものじゃないよ」
と親切心で助言してきた人も少なくなかったそうです。

しかし、工藤さんは、
「童話作家になると周りに宣言してしまった以上、自分は書かざるを得ないのだ」
と自分自身を追い込むことに精神を集中させました。

そして、その公言通り、出版社を退職後、実際に童話作家としてデビューし、
その年には童話と詩集を4冊出版しました。

中でも、詩集『のはらうた』は、超ロングセラーとなり、
30年以上経った現在でも版を重ねています。

吉田が工藤さんとお会いしたのは、出版した20年以上も前のことです。
あのころから、元気なおばちゃんでした。(笑)

このように自分を常に奮起させ、言ったことを必ず
実行するようにしていると、夢はいとも簡単に実現してしまうのです。

最後に必要なのは、文才や才能よりも情熱なのかもしれません。

■ヘタレな人でも、何とか、本が出る

Q,私は、ヘタレです。燃えるような情熱なんてカケラもないのですが……。

A,ヘタレでも本がでます。大丈夫です。

吉田の周りには、ヘタレな人もたくさんいます。

うちの会社の元役員もヘタレでした。
馬と牛の違いも、エレベーターとエスカレーターの違いもわかりません。
「一番好きな戦国武将は?」と聞かれて、堂々と、
「新撰組!!!」と言うような人です。

ひとりでは何にもできません。
でも、彼女は、本を何冊か出版しています。
そして、これからもたくさん本を出していくでしょう。

彼女曰く、
「ヘタレな人は、自分の欠点を補うために、
厳しい状況からいかにうまく逃げるかを常に考えている。

それによって、自分より才能ある人に協力してもらったり、
困難な状況をクリアする術を本能的に知っていたりする。

これは、実社会の中ではとても重要な生きる知恵だ。

ヘタレな人は、生き残るためにその人なりの必殺技を身に付けている。

これは、才能があったり、力があったりする人には絶対にマネできない処世術なのだ。
だから、本を書く人は、ヘタレでもいいのだ」

なるほどねえ。
彼女の実績を見ると、確かに、処世術には長けているかも……。

こういう人は、「努力」「根性」「一生懸命」という言葉が大嫌いです。
こういう人には、出版プロデューサーが必要ですね。

本も、実際には、著者が書かなくてもいいのです。
口述筆記という形もあれば、グループで執筆するという方法もあります。
企画だけ出して、著者となる方法もあるのです。

著者が100人いたら、100人、本作りの方法は違います。

吉田も、このブログ原稿を書いていて、
「確かに、ヘタレでも本が出せるよなあ」と思いました。

よくよく思い起こせば、ヘタレで本を出している人は、けっこうたくさんいます。
Hさんも、Kさんも、Yさんも。あっ、Sさんも……。(笑)

情熱のある人も、情熱のカケラもない人も、どちらもやっぱり本は出せるのです。

あなたも、あなただけの方法を見つけて、出版のチャンスをつかんでください。

出版愛 吉田浩