自分との約束を破る人は一生本が書けない

2019年09月11日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■本が書けないのは、あなたがちっとも努力していないから

これから、本を書きたいと思っている方へ。
吉田が近道を教えましょう。

「出版に近道はない」と思っているあなた、そんなことはありませんよ。
いくらでも、近道、抜け道はあります。

「ない」という人は、知らないだけなんです。
近道、抜け道を見つける、これも高等技術のひとつなんです。

吉田の持論は、ひとつです。
それは「いい本を書きたいなら、類書を読みなさい」ということです。

「これから書きたい本があったら、
同じテーマの本を探して、たった5冊で良いから、熟読しなさい。
そうすれば、かなり楽して本が書けます」

ほら、こんなに簡単なんです。

でも、いくら、吉田がこんなに有効なアドバイスをしても、
本人がやらないとまったく意味がありません。

それどころか、「どうしても本が書けない」と文句ばっかり言っているんです。
ですが、その著者は、全然書けない方かというと、逆なんです。

 ・ものすごくおもしろいテーマを持っている。
 ・他の人にはマネできないオリジナルな体験をしている。
 ・本が書きたくて書きたくてしょうがない。
 ・周りの人にも、「今年中に本を出したい」と言っている。
 ・でも、半年たっても、1年たっても、1行も書いていない。

気持ちはとてもよくわかります。

吉田は、自分にとって一番大事なことは、一番後回しにする性格です。
だから、一番重要な仕事が一番最後になって、
あとからメチャクチャ苦労することがよくあります。

ですが、いろいろな著者候補に会って、話を聞いてみると、
本が書けない理由は、結局は、著者の怠慢が100%です。

吉田「本屋さんに行って、同じテーマの本を買いましたか?」
社長「まだ、買っていません」

吉田「あれだけ、類書を読みなさいって言ったでしょ。
   どうして言われたことをやらないの?」
社長「いやあ、仕事が忙しいので……」

でも、この社長、平日の夜は必ず飲んでいるし、休日はゴルフばっかりしています。
「時間がない」というのは、理由になりません。

時間の使い方のヘタな人に限って、
「時間がない」と言います。
上手にスケジューリングできる人は、決してそんな「逃げ言葉」は使いません。

自分ができないのは他人のせいだと言い、
逃げることばっかり考えている著者に対して、吉田は、鬼になります。

吉田「社長さん、あなたの会社にいつも約束を破っている社員がいるとします。
   そんな社員がいたらどうしますか?」
社長「約束を破るって、どんな約束を破るんですか?」
吉田「いつも待ち合わせの場所に遅れたり、仕事の納期を絶対に守らない社員です」
社長「そんな社員は、即刻、クビです!」
吉田「へーっ、社長、そんなことを言っていいんですか?(笑)」

■本を書くための「時間」と「場所」選びが最重要キーポイント

「書けない書けない」社長に対して、吉田は3つの約束をします。
以下のことを「必ず、やってください」と。

◆出版するための約束1
ネット環境を整えること。

◆出版するための約束2
類書を読む。最低、3冊読むこと。

◆出版するための約束3
書くための場所と時間を決めること。

約束その1について

本を書くためには、ネット環境が必要です。
この場合の本は、小説ではなくて、実用書のことです。

実用書を書くためには、データ収集が不可欠です。
ネットを使わないと、まずは、手もつけられないのです。

パソコン本体のみならず、ワード、エクセル、パワーポイント、
イラストや写真などの画像処理システムも必要です。

約束その2について

類書は、パソコンで検索して調べてあげます。
たとえば、会社経営がテーマの本だったら、同じテーマの本が何百冊あろうと、
今まで出版された本のタイトル、サブタイトルをひとつひとつ社長にヒアリングし、
どの本がこれから書く本の参考になるかを聞き出します。

そして、最終的に、社長自身に、読みたい本を5冊ピックアップしてもらいます。

吉田「社長、この本は、社長自身が選んだ本ですよ。
   必ず、購入して読んでくださいね。約束ですよ。
   もし、約束を破ったら、クビですからね、クビ!」

約束その3について

「書けない理由」の最大のひとつに、
「書く場所と時間がない」という人がいます。

これは、実は、かなり深刻な理由なのです。
「場所」と
「時間」と、
一口に言いますが、
実は、これ、もう少し深く掘り下げると、

ひとりになれる「場所」
集中できる「時間」のことなんです。

日本は「紙と木の国」と言われるように、部屋が狭く、プライバシーの観念も希薄です。
自宅に書斎を持つのは、なかなか難しいかもしれません。
しかし、そこであきらめてしまっては、いつまでたっても、著者デビューはできません。

「なかったら造る」という発想をもってください。

たとえば、

・マンガ喫茶は、かなりお勧めです。
パソコンの持ち込みOK。1時間500円程度。
パソコン専用のブース付きマンガ喫茶もたくさんあります。

・ウィークリーマンションや個室事務所を借用。
都心部ならば、月3万円くらいから借りられる個室事務所がたくさんあります。
本当に1畳から1畳半くらいの部屋ですが、これぞ個室、という感じです。

・ファミリーレストランもお勧めです。
ソファー型の4人席は、テーブルも広く、調べものをするのには最適。
こちらも集中して執筆ができます。

あなたが社長ならば、週末作家として土曜日だけ執筆に当ててもいいと思います。

あなたが主婦ならば、子供を保育園に連れて行ってから、
夕食の買い物を済ませるまでの間だけ、執筆することができますね。

ハリーポッターシリーズの著者、J.K.ローリングは、生活保護を受けていたとき、
自宅近くの喫茶店で、コーヒー1杯だけ注文して8時間居座って執筆していた
そうです。

お金がなくても書く時間と場所は確保できるのです。

本を書くための約束は、自分自身と結んだ約束です。
破ったら、あなた自身が罰を受けるだけです。

「書けない理由」を探すのではなく、
「書くための作戦」を、ぜひとも考えてみてくださいね。

出版愛 吉田浩