書店営業は「まみむめも」でやろう!

2019年06月26日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■自分で書いた本は、自分で売るのが鉄則

自分の書いた本を、自ら書店に行って、宣伝してくるなんて、
ちょっと考えたら、恥ずかしいですよね?

もしかしたら、歓迎されないかも……。
不安もありますよね?

でも、そこでためらいを持たないでください。
基本的に、書店員さんは本が好きです。
そして、その著者がお店まで営業に来るのは、ウェルカムなのです。

自分の書いた本は、すばらしい本に決まっています。
そのよさがわかるのは、他ならぬあなた自身なのです。

さあ、自信を持って、書店営業に行きましょう!

■書店営業は「まみむめも」でできる

書店回りのときに、吉田が気をつけたことを9つ列記します。

偶然ですが、すべて、ま行でした。

1、み 身なりをきちんと。

いきなり、飛び込みで相手の都合を考えずに伺うわけです。
身なりはきちんとしましょう。
身なりとは、服装だけではなく、髪型や口臭まで含みます。

2、め 迷惑のかからない時間帯に。

書店の店長はとても忙しいです。
特に、午前中の開店時は、新しい本を並べるために必死です。
12時前後は、お昼休みで食事に出かけているかもしれません。

もし、訪問するならば、午後2時~5時までの時間をお勧めします。
夕方からは、会社帰りのサラリーマンやOLがどっと来て、
店長はまた忙しくなりますので、その時間帯も避けてください。

3、み 身分を明らかに。

いきなり書店に出向いて、「店長さん、いますか?」と一方的に尋ねると
店員さんに「どちらさまですか?」と非常に不審な顔をされます。

まず、「地元出身の作家です」と、身分を明らかにしてください。
第一印象が悪いと、後々までずっと「変な人」だと思われてしまいます。

4、め 名刺を用意する。

著者として初めて本を出すのか、
今までどんな本を書いてきたのか、それがわかるようにします。

5、み 見本を持参する。

書店回りのときには、必ず、自分の書いた本をもっていきます。
見本はあくまでも見本なので、本のコピーも必要です。

本の表紙をカラーコピーし、そこに、出版社名と電話番号を書いておきます。
これは、書店から出版社に直接、注文してもらうためです。

6、み 魅力を伝える。

ほとんどの店長は、見本を手に取ると、中身をパラパラと閲覧します。
自分の書店に置くかどうかがそこで決まるのです。

そのときに、あなたが書いた本の魅力を熱く伝えてください。
これが伝わらないと、その本屋さんには置いてもらえません。

吉田の本の場合は、自信を持ってこう言いました。
「今まで出ている本の中で、一番わかりやすく、一番おもしろい本です!!」

7、め 名刺をもらう。

店長からは、必ず、名刺をもらってください。
あとでお礼状を書くためです。

また、あなたの本が次に出たときにも、
ニュースリリースを送ることができます。

8、ま また、連絡する。

書店回りを終えたあと、
いただいた名刺の住所やメールアドレスにお礼状を送ります。

9、も もしお願いできるなら……。

吉田は、いろいろと店長にお願いしてきました。

「手作りのポップを書いてきたので、使ってください」

「注文票を持ってきたので、出版社にたくさん本を注文してください」

「本を陳列するときには、もっと目立つところに置いてください」

あまり無理なお願いをしすぎると逆効果なので、そこは、店長の人柄を見ながら進めてください。

地元の書店回りが、いかに有利かというと、意外なところに知り合いがたくさんいます。

たとえば、吉田が以前に回った書店の店長は、吉田の高校の後輩でした。
「あーっ、六日町高校を昭和54年に卒業したんですか?私、後輩ですー!」

また、ある書店の店長は、同じ村(地区)出身でした。

さらに、吉田の中学時代の同級生が、五十沢友郎というマンガ家なのですが、
彼と同級生だというだけで、
「あーっ、そっかぁ、五十沢さんの友だちですかぁ!五十沢さんにもよろしく言っといてください」
と、とたんに打ち解けました。

新潟の狭い町なので、だいたい少し話すと、共通の知り合いが何人も出てくるのです。(笑)

書店回りは楽しいですよ。

ひとりで回るのが恥ずかしい方は、ぜひ、出版社の営業の方と一緒に回ってください。

書店員さんとお話できるのもとてもためになります。

ぜひとも、自分の本を自分の足で、1冊でも多く売ってください。

出版愛 吉田浩