地方にいて本を出版する方法

2019年06月04日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■地方在住の著者の悩みとは?

Q,私は、九州に住んでいるのですが、いつか
出版したいと思っています。こんな私でも出版できますか?

A,いつかといわず、いますぐにでも出版できます。

『企画のたまご屋さん』の著者で、熊本に住んでいて焼酎の本を出版した方がいます。
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 『芋焼酎はこれで決まり』白川湧 洋泉社
 『焼酎大戦争』白川湧 クリックコード

地方でも本が書けますか? という質問はよくされます。

弱気にならなくてもいいんですよ。
『たまご屋さん』の著者は日本全国にいて、何冊も本を書いていますよ。

沖縄の離島に住んでいる作家もいます。
企画書を『企画のたまご屋さん』で配信したところ、
6社くらいから採用通知をもらい、大手出版社から本を出しました。
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 『南の島で、暮らそうか!』バンガートめぐみ 角川書店

フランス在住の著者もいます。
たくさんの本を『企画のたまご屋さん』から出版しています。
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 『映画気分でパリを散歩』沢登めぐみ著・撮影 ピエ・ブックス
 『空腹気分でパリを散歩』砂辺祐子著・撮影 ピエ・ブックス 
 『パリ・ブランシェ―特派員が暮らして見つけたパリの寄り道ガイド―』
   アンテンヌフランス編 双葉社

これらの著者に共通しているのは、
一度も東京の出版社を訪問しなくても、出版できたということです。

なぜ、そんなことが可能なのでしょうか?

1,ネットが地方と都心部の距離を縮めたこと。

2,『企画のたまご屋さん』出版プロデューサーが
出版社との交渉をすべて行ったためです。

吉田が、「どこに住んでいても本は出せますよ」
と、どんなに説明しても、それでも地方在住の方は尻込みしてしまいます。

なぜ、地方在住の著者は、首都圏に住んでいないと
本が書けないと思っているのでしょうか?

まずは、弱気になる原因を探っていきましょう。

1,すべての出版社の90%は首都圏に集中し、
著名人の90%は首都圏に在住している。

2,マスコミと人が首都圏に集中しているため、
地方では情報の過疎化が巻き起こっている。

3,1次情報の発信は地方では難しい。
また、1次情報を発信する人が少ないのでそれを取材して2次情報を発信することもできない。

■大事なのはネットワークを作ること

地方にいて本を書いていくには、普段からどんなことを心がけ、実行していったらよいのでしょうか?

成功するための秘訣は、ネットワークを作り、情報を集めることです。

1,地域情報を自らつかまえるための工夫をすること。

ブログでも、フェイスブックでも何でも構いません。
大切なのは、あなたの懐に情報が飛び込んでくることです。

2,専門分野、研究分野を持つこと。

ニッチでもいいので、だれにも負けない専門性を持ちましょう。

3,距離と時間の隔絶を断ち切ること。

出版社の編集者が一番不安なのは、
距離的な隔たりが作品の制作過程を見えづらくしていることです。

「著者は田舎に住んでいる」→「編集者から連絡が取りづらい」
→「何を依頼するにも不安になってしまう」

この不安のスパイラルを断ち切るためには、

a)連絡を受けたらその日のうちに返信してください。

b)作業が発生したら、あなたの都合ではなく、
編集者の都合を聞いてください。

c)電話、メール、ファックスでこまめに連絡しましょう

4,地方にいる文化人のネットワークを作ること。

地方で作家活動をしている人は、知的な刺激に飢えています。
そりゃあそうです。周りは、農家のおじいちゃんおばあちゃんばっかりなんですから。

ただでさえ、「情報の離れ小島」にいる状態で、さらに孤立したら本なんて書いていけません。

最初は、2人でも3人でも、単なる飲み会でも構いません。
お互いに刺激しあい、励ましあえるネットワークを作ってください。

5,仕事は修正のないように丁寧に仕上げる。

距離の隔たりが編集者の不安を助長することを説明しましたが、
もうひとつ、不安材料があります。
それは、基本的に会うことができないので、細かな修正があると非常に煩わしいということです。

この状況に陥らないためにすべきことは以下の通りです。

a)よく聞くこと。
編集者の意図していることをつかむこと。

b)確認すること。
「こうですよね」と、何度も確認すること。

c)報告すること。
執筆過程で、こまめに何度も報告すること。

6,定期的に首都圏に来る。

少なくとも半年に一度は上京してください。
また、このときにまとめて出版社周りをして次回作の営業をしてください。

吉田が思うに、地方に住んでいる著者は常識的で、何事にも丁寧です。
必ずと言っていいほど、あとで手書きのお礼ハガキを送ってきます。

やはり、日ごろから限りある人との付き合いを大切にしているからでしょうか?

出版愛 吉田浩