書籍は、リアルとバーチャルの両面展開で売る

2019年04月18日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■本は、昔は出版社が、今は著者が売る時代

Q,出版した本がまったく売れません。
 出版社もほったらかしの状態です。
 どうしたらいいでしょうか?

A,まず、自分で自分の本を宣伝してください。
 あなたの本を一番愛しているのは、あなたなのですから。

ここで、ちょっと吉田は、編集者の皆様に懺悔します。

吉田は、以前、「本は出版社が売る」のが
版元としての役割だし、責任だと思っていました。

ですから、企画の採用会議で編集者から
「著者も本を売ってください」
と言われると、猛然と反発してこう言いました。

「出版社は自らの存在意義を放棄するのですか?
企画を採用し、本を出版したのならば、その本を最後まで
責任を持って売るのが版元としての使命ではないのですか?」と。

吉田の言っていることは正論なのですが、日本の出版状況が悪化して、
もはや理想論では解決できない段階まできてしまったのです。

そこで、吉田は、こう考えを改めました。

1,本は、著者の協力がなければ売れません。

2,その本のよさを一番わかっているのは著者です。

3,その本を一番売りたいと思っているのも著者なのです。

そして、出版社と、著者と、
一緒に本を売っていく戦術に切り替えたのです。

出版の基礎の基礎の話ですが、あなたが本を書いた場合、
その本を宣伝しないと、世の中のだれにも伝わりません。

「宣伝されない本は、存在しない本と同じ」なのです。
もし宣伝しなければ、出版された日が、その本の「命日」となるのです。

著者が本を売る場合、ネットワークを使う以外に方法はありません。

1,著者がいかに、宣伝媒体を持っているか?
2,協力者がいかに、宣伝媒体を持っているか?

この2点しか、ネットワークを使った販促展開はありません。
自分が宣伝媒体を持っていない場合、宣伝媒体を持っている人に協力してもらう必要があります。

その場合は、宣伝媒体を持っている人との距離によって、
お金がかかったり、時間がかかったりします。

■リアル販促術とバーチャル販促術

本の販促は、リアルとバーチャルに大別されます。

・リアルとは、実際に書店で本を売るための活動です。

・バーチャルとは、インターネット上で本を売るための活動です。

それでは、リアルとバーチャルの2つの売り方について、
実際にどんなものがあり、どのくらい有効なのかを論じていきたいと思います。

<リアル販促術>

・週刊誌、月刊誌、新聞等に献本する。
 献本の目的は、本の書評を書いてもらうことです。
 あまり本は売れませんが、情報伝達の効果はかなりあります。

・テレビ局、ラジオ局に献本する。
 番組内で取り上げてもらうと、ブームを作るきっかけになります。
 本も、いきなりベストセラーになることがあります。

・サイン会や講演会を実施する。
 数十冊から、数百冊、その場で確実に売れます。
 ちなみに、吉田も著書『人生の時間銀行』(扶桑社 980円)
 の発売を記念して、渋谷大盛堂書店にてサイン会を実施しましたが、
 10冊くらいしか売れませんでした。(涙)

・視聴者プレゼントをする。
 瞬間風速ですが、一気に本が売れます。
 吉田の著書『人生の時間銀行』を、朝日新聞のアスパラクラブにて紹介してもらいました。
 アマゾンで5万番台くらいだった本のランキングが、一晩で500番台くらいになりました。
 宣伝媒体によって効果は千差万別です。

・著者が書店まわりをする。
 著者が自ら、書店まわりをするのはとても有効な手段です。
 基本的に書店員は本が好きです。
 そして、書店に来店してくれる著者にも好感を持っています。

・ポップを作る。
 ポップとは、本屋さんでよく見かける宣伝用の小さなカードのことです。
 このポップを掲示することで、ベストセラーになった本もたくさんあります。

・全国の書店にファックスをする。
 まず、新刊書籍の内容を紹介したチラシを作ります。
 このチラシをファックスを使って、全国の書店に送信します。
 一気に、数百冊~数千冊の注文がくることがありますが、出版社は本の在庫がなくなるし、
 あとからドッと返品があるのでこの方法を嫌がるところもあります。

・パブライン書店で大量購入する。
 パブライン(その本がどれだけ売れているかの調査システム)を作って、
 その情報を公開している大型書店があります。
 紀国屋書店、文教堂などです。
 ここで、大量に本を購入すると、売り上げ順位があがります。
 その情報は、日本中の書店も注目しているので、
 結果的に注文数が上がり、書籍も売れるというわけです。

その他、まだまだこの10倍も100倍も販促の方法は
あるのですが、割愛させていただきます。(残念)

<バーチャル販促術>

・影響力のあるホームページで宣伝する。
 著者がそのホームページの管理人であることが望ましいのですが、
 他の人のホームページとリンクさせても可です。

・SNSで告知する。
 SNS(ソーシャルネットワークサービス)とは、
 たとえば、フェイスブックやツイッターのことです。
 自分の本が出たときに数千人のフォロワーに告知できるのが理想です。

・メルマガで売る。
 最低でも1万人規模のメルマガを発行していないと話になりません。
 本の内容を、より詳しく紹介すればするほど本は売れます。

・ブログで紹介する。
 ブログも毎日、数百人が読んでくれるブログでないと効果はありません。

・アマゾンの中身検索プログラムに登録する。
 データ上は、本の売り上げが平均1.4倍になります。
 方法は超簡単。出版社からアマゾンの担当者に新刊書を2冊送るだけです。

・ネット書店に広告を掲載する。
 たとえば、アマゾンのトップページに有料広告を出す場合、最低30万円はかかります。
 しかし、確実に数百冊は売れます。

・ネット書店で発売キャンペーンをやる。
 本の発売前に事前注文を取ることもできます。
 吉田は、Kyocoちゃん(2008年ミスインターナショナル日本代表)
 の本を売るために、アマゾンキャンペーンをお手伝いしました。
 本の購入者は、Kyocoちゃんのサイン入り生写真がもらえます。
 これは、ファンとしてはノドから手が出るくらい欲しいはずです。

・ネット書店で大量購入する。
 パブライン書店と同じく、ネット書店で大量注文することによって
 書籍の売り上げランキングを上げる方法があります。
 ネット書店とは、アマゾン、楽天ブックス、hontoなどのことです。

まだまだ、書きたいことはたくさんあるのですが、
文字量が多くなってきたので、いったんここで打ち切りとします。

このメルマガの読者の皆さんも、
「こんな宣伝をして、本を売ったよ!」という
情報がありましたら、吉田宛てにメールくださいね。

出版愛 吉田浩