本を作るための情報はどこで手に入れるか?

2018年12月27日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■もっとも効率がいい情報収集はネット

書くテーマが決まったら、いよいよ本の執筆準備に入ります。

Q,執筆に入る前に、どんなことをすればよいのでしょうか?

A,まずは、資料を集めましょう。

たとえば、あなたがダイエットの本を書きたいと思っているとします。

その場合、一番いい原稿が書けるのは、
実際にダイエットをした経験が何度もあり、
失敗したり成功したりといった経験のある人です。

なぜなら、ダイエットを成功させるためにたくさんの情報を集め、
しかも、それを実践しているからです。

ダイエットでの苦しい経験があれば、それだけで原稿が
半分できてしまうと言っても過言ではありません。

このように、本を書くときには、
実際に自分が経験したことを書くのが一番です。

しかし、経験したことのないことであっても、
それに関する情報さえたくさん持っていれば、
読者に納得してもらえるような本が書けてしまうのです。

Q,本を書くための情報は、一体どこから集めればいいのでしょうか?

A,インターネットで検索するのが最も早くて確実な方法です。

インターネットを使えば、家にいながらにして
アメリカでも、ヨーロッパでも、
全世界の情報を集めることができます。

たとえ英語ができなくても、自動翻訳ソフトで
大体の意味はつかむことができるので、
知り合いに翻訳家がいなくても問題ありません。

現代では、インターネットを使いこなせることが、
執筆のスピードや本の内容を左右する絶対条件なのです。

Q,その他に資料を集める方法としては?

A,以下を参考にしてください。

・図書館(地方図書館、国会図書館)
・書店(類書を購入する)
・新聞、雑誌のバックナンバー(共同通信、時事通信含む)
・テレビ、ラジオ(中央局、地方局、デジタル放送、FM、ロイター含む)
・専門家(スペシャリスト、評論家、研究者、大学教授など)
・身の回りの人(友人、知人、家族、恋人など)
・異業種交流会(同業種交流会)
・大宅文庫
・アンケート調査会社
・会員組織(ファンクラブ、コミュニケーションネットワーク)
・会報、専門誌
・過去のストックデータ
・広告代理店
・博物館

■資料館を使いこなせ!

過去の新聞・雑誌、そのバックナンバーなどの資料は、
図書館や資料館を活用して集めましょう。

今では図書館にもパソコンが導入され、データベースから
本を一瞬で検索することができるようになりました。

全国どこからでも、近くの図書館を通じて
国立国会図書館の資料を利用することができます。

お金さえ払えば、その場でコピーをすることもできます。
また、近くの図書館を経由して複写サービスを申し込むこともできます。

図書館の中で最も蔵書が多いのは、国立国会図書館です。
ここには、日本で出版されたすべての本の98%が保管されています。

●国立国会図書館
東京都千代田区永田町1-10-1
電話:03-3581-2331(代表)
https://www.ndl.go.jp/

雑誌の資料館として有名なのは、大宅壮一文庫です。
設立された1971年頃以降の資料であれば、
データベースで検索することができます。

大宅壮一は、マスコミ生活50年の傍ら資料の収集整理に力を尽くし、
古書市、古本屋通いで集めたおよそ20万冊の蔵書を遺しました。

館外への貸出は行っていませんが、
一般利用者は、1回の入館手続きで15冊まで閲覧が可能です。
追加閲覧料を支払えば、さらに10冊閲覧でき、
手続きは一日に9回まで可、上限は105冊です。

大宅文庫の利点は、関心のあるテーマを係員に相談できることです。
「このテーマで週刊誌に掲載された記事を調べています」
と係員に相談すると、的確な検索方法を教えてくれるのです。

出版の世界で、大宅文庫を知らない人はモグリだと思われるので、
後学のためにも、一度は行っておいたほうがよいでしょう。

●大宅壮一文庫
所在地:東京都世田谷区八幡山3-10-20
電話:03-3303-2000
交通:京王線八幡山駅、下車、徒歩8分
開館:午前10時~午後6時(雑誌の閲覧受付、午後5時15分まで)
休館日:日曜・祝日・年末年始、その他あらかじめ公示する臨時休館日
入館料:500円

このような専門的な資料館は全国にたくさんあります。

吉田は童話作家なので、童話を書くために、
上野にある「国際こども図書館」を利用することがあります。

ここでは、季節ごとのイベントで、絵本展をやっています。
たとえば、「世界のお日さまとお月さま」展というのがありました。

世界中の国々から、太陽と月にまつわる昔話を集めて
絵本の展示会を開いたのです。

月にうさぎがいるというのは、日本だけではなく、
世界中でそう言われていることがわかります。

こども図書館では、必要な項目をインターネットで
検索して探すことができます。
わざわざ出掛けなくても、郵送でコピーを
送ってもらうことができて大変便利です。

●国際こども図書館
東京都台東区上野公園12-49
電話:03-3827-2053(代表)
交通:JR線上野駅(公園口)・鶯谷駅下車徒歩10分
https://www.kodomo.go.jp/

ただし、こうした資料を使う際には、
資料の転用に十分注意してください。

文章をそっくりそのまま1行でも使うと盗作とみなされます。
同じような文意を伝えたい場合には、
必ず自分の言葉で書き直すようにしてください。

出版愛 吉田浩