本を書くためには「授業料」を払わなくてはならない
2020年02月10日
こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。
■「授業料」を払わなくてはエッセイは書けない
前回のブログは、出版社にケンカを売ったようなもので、
内心ビクビクしていましたが、逆に、編集者さんから、
「私もそういう気持ちで本を作っています」と、
いろいろ励ましのメールをいただきました。
吉田は、とても嬉しかったです。
(まだ、お礼メールを書いていません。失礼)
さて、今回のブログのテーマは、「自己投資」の話です。
吉田の所には、よく女性のライターさんが売り込みに来ます。
「吉田さん、私、文章を書いて暮らしていきたいんです」って、
本当に軽いノリでやってきます。
「○○さん、何が書きたいんですか?」
「エッセイです!」
(あー、またかー)
と、これは、吉田の心の声です。
「あのね、○○さん、エッセイは、
高い『授業料』を払った人でないと書けないんですよ」
「えっ、『授業料』って、何ですか?」
「授業料」とは、その名の通り、いかにお金を使っているかどうかです。
もちろん、ほとんどの場合、お金と一緒に、時間も使っています。
「○○さん、エッセイというのは、1本5000円の原稿料を稼ぐために、
500万円の授業料を払う、ということなんです。
あなた、授業料を払ってないでしょ?
授業料を払わない人は、エッセイなんて書けませんよ」
吉田が言いたいことは何かというと、こういうことです。
1、人を感動させるエッセイを書くには、膨大な量のインプットが必要。
2、そのインプットには、膨大なお金がかかる。
3、エッセイは、膨大な量のインプットから生まれる
たったひとつのアウトプットに過ぎない。
「膨大な量のインプット」が、つまり「授業料」なのです。
繰り返していいます。
「授業料を払っていない人は、本は書けません」
■あなたは授業料を払っていますか?
『企画のたまご屋さん』から本を出した方は、ほとんどの人が授業料を払っています。
たとえば……。
おえかきライター とまこちゃん。
『旅ふぇち』という本をゴマブックスから出しました。
1、とまこちゃんは、もともと旅行会社の添乗員で世界中を飛び回っていました。
2、添乗員なので、お客さんに旅行中にイラストエッセイを書いて
コピーして渡していました。
3、そして、彼女の趣味は、飛行機の窓から、空の写真を撮ること。
他のお客さんが窓際にいても、わざわざお願いして席を代わって
もらって、写真を撮っていたそうです。
そして、彼女の授業料の集大成としてできた本が
イラストエッセイ集『旅ふぇち』なのです。
この本には、上記の1、2、3のことがすべて含まれています。
また、変わったところでは、ナンパ塾の塾長をされている草加大介さんがいます。
『最初の一言をどうかけるか?』(幻冬舎)というナンパ必勝法の本を
吉田が出版プロデュースしました。
草加さんは、自分が今まで何万人もの女性に街で声をかけ、
ことごとくフラれたそうですが、そうした自分自身の実体験から、
自分なりに「ナンパ論」ともいえるものを作り出しました。
ナンパだからと侮るなかれ。
自分が「お金」と「時間」を投資したものについては、
それだけの授業料を払ったということになります。
「ナンパ」という行為が、非常にレベルの高い技術の域にまで達しているのです。
このように、自分がある目的のために「身銭を切って」投資し、
身をもって体験したことは本にもなるのです。
このブログの冒頭に紹介した女性ライターさんは、実在します。
彼女は元編集者です。
彼女の了解を得て、このブログを書いていますが、
「私、エッセイを書いて暮らして生きたいの」
と、お気楽にのたまうライターさんへ。
世の中、そんなに甘くありませんよ。
出版愛 吉田浩