「葉っぱ」の企画書、「根っこ」の企画書

2019年07月11日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■「葉っぱ」の企画書はいりません

さて、今日のブログのテーマは、「企画と著者との整合性」です。

現在、『企画のたまご屋さん』には、年間1000本を超える企画書が送られてきます。
特に最近は、社長さんの持ち込み企画が多くなってきています。

しかし、その企画書の多くは、どこかで見たことのある企画書なのです。

たとえば、
『ユダヤ人に学ぶお金持ちになる方法』
         ↓
この企画書は、お金のない社長のものです。
どうして貧乏な社長が、お金持ち本を書けるのでしょうか?

『営業効率を2倍よくするコミュニケーション術』
         ↓
この企画書は、社員からも取引先からも嫌われている社長のものです。
短気な社長がどうしてコミュニケーションの本を書けるのでしょうか?

「どこかで見た企画書」の特徴は、以下の通りです。

1、オリジナリティがない。
2、だれにでも書けそう。
3、頭の中だけで書いている。
4、ノウハウが整理されていない。
5、実際に、使えない。

こういう企画書を、吉田は、「葉っぱ」の企画書と読んでいます。

要するに、「根っこ」がないのです。
幹の「根幹」がないのです。

枝葉の部分だけ切り取って見せられても、「うーん」というしかありません。

ある程度の文章テクニックと売り込む技術があれば、確かに本として出版できるかもしれません。

しかし、本当にその本を出版すれば、著者は幸せになれるのでしょうか?
吉田は、逆だと思います。

自分が求めているポジションと違う位置にある出版ならば、しないほうがマシです。

人生はベクトルです。
そして、ベクトルは矢印で示されます。

この矢印が2方向に向いていたら、推進力は分散されます。
そして、いつまでたっても目的地にたどり着けない人たちが生まれてしまうのです。

■企画書は「根っこ」から作る

Q,それでは、「根っこ」のある企画書とはどんな企画書でしょうか?

A,人生の「戦略」に基づいている企画書です。
 出版は「戦術」で、本は「戦法」なのです。

わかりやすく説明すると、

「戦略」……人生の目的。自分の自己実現。
「戦術」……目的達成の方法。そのひとつの選択肢として「出版」がある。
「戦法」……「出版」を選んだとき、どんな本を書くかといういろいろな手段。

「戦略」なくして「戦法」はありえません。
まずは、根っこから考えましょう。

根っこができて、幹ができれば、葉っぱは自然と生い茂ります。

この順番を無視して「売れそう」という理由で企画書を作っても、
それはアサガオの葉っぱだったり、菊の葉っぱだったりするのです。

自分という木に生い茂らない葉っぱで本を作っても無意味です。

まずは、根っこを地中深くにはりめぐらせましょう。

「根っこ」=「体験」です。
そして、「体験」=あなた自身の「オリジナリティ」なのです。

焦る必要はありません。
じっくり、どっしり、まずは大木になることを目指してください。

出版愛 吉田浩