1冊の本のテーマはひとつだけ。 ~本作りの3つのシンプルルール

 何冊も本を出している作家でも、本作りのルールを忘れている方がいます。

 出版のルールはとてもシンプルです。

 しかし、多くの作家がそれを実践していないのです。

 たまたま1冊目が売れた作家でも、2冊目がまったく売れないことがあります。

 それは、出版のルールから外れているためです。

 

 本を作るときには、3つのシンプルルールを守ってください。

  1. 1. 1冊の本のテーマはひとつである。(テーマ)

2. 1冊の本の読者対象はひとつである。(ターゲット)

3. 1冊の本で解決する問題はひとつである。(問題解決)

 

【第1のルール】……テーマはひとつだけ。

 テーマとは、作者が訴えたいこと、教えられることです。

 たとえば、私が本作りに関わった本で、『ねこ背は治る!』(小池義孝 自由国民社)

という本があるのですが、この本は3年間で37万5000部売れました。

 この本のテーマは「ねこ背が治る」であり、「腰痛」や「肩こり」は治らなくてもよ

いのです。ところが、ほとんどの人が欲張って、「ねこ背」も「腰痛」も「肩こり」も

「首の痛み」も「手足のしびれ」も治る方法を全部本に書いてしまいます。

 すると、逆に本は売れなくなってしまいます。これが一番、悪い例です。

 

【第2のルール】……ターゲットは明確に。

 たとえば、ビジネス書で年間一番多く出版される本は、営業の本です。

 なぜなら、日本で一番多い職種が「営業」だからです。

 そして、その読者対象は営業マンです。ところが、営業マン向きの本なのに、チー

ムリーダーの指導論が入ったり、経営者の哲学が書かれたりします。

 それだけで、だれのために書かれた本かわからなくなってしまいます。

 

【第3のルール】……ひとつだけ問題が解決する。

 本によって読者は、悩んでいた問題が解決します。

 また、作家は表現することで自分の自己実現や夢の達成ができます。

 たとえば、あなたが株式投資や資産運用の本を書いた場合、そのテーマで講演依頼

やマスコミからの取材依頼が来ることがあります。

 しかし、読者が解決できる問題やあなたが実現したい夢は、たったひとつなのです。

 欲張ってはいけません。あれもこれも手に入れようとすると、何も手に入りません。

 

 この3つのルールを無視している本は、書店からすぐに消えてしまいます。

 

 書店から本が消えるということは、あなたの作家生命が短くなるということです。

 シンプルルールを守っている本は、すごく売れるか、長く売れるかどちらかです。

 


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