今すぐ売れる本は書いてはならない ~「今すぐ売れる」は「今すぐ消える」
9割のビジネス書が間違った方法で作られています。
ものすごく反論されることを承知で、私はあえてそう主張したいと思います。
あなたが書きたい本、書いている本は、方向性が間違っている可能性が高いです。
なぜ、9割もの本作りが間違っているかというと、それは、ほとんどの本が、
- 1. 今すぐ書ける本、
- 2. 今すぐ売れる本、になっているからです。
本は「時代の大きな波」をつかむとベストセラーになります。
ところが、「一時的なブーム」を追いかけて本を書いている作家もいます。
「今すぐ売れる本」は、裏返して考えると「今すぐ消える本」と同じなのです。
特に、編集者は、「先生、今すぐ売れる本を書いてくださいよ」
と執筆を依頼してきます。しかし、その誘惑に乗ってはいけません。
確かに、ブームに迎合した本は爆発的に売れることもあります。ところが、「今すぐ
売れる本」を書いた瞬間、あなたは「消費される作家」になっていまいます。
あなたは、自分が10年、20年の歳月をかけて培ったノウハウを一瞬で失ってもよ
いのですか?
私は知り合いのビジネス作家が500人ほどいるのですが、だいたい3年後には5
割が消え、5年後には7割がもう本を書いていません。
その理由は、やはり間違った本を作っているからです。
「今すぐ書ける本」「今すぐ売れる本」は書いてはいけません。
私は本を書きたいと思っている方に、最初に2つの質問をします。
- 1. あなたが書きたい本はどんな本ですか?
- 2. あなたは本を書いた後、どうなりたいですか?
初めの質問は、「本を書く前のイメージ」を探っていきます。
次の質問は、「本を書いた後のイメージ」を探って生きます。
「本を書く前のイメージ」を聞くのは、その答えを否定するためです。
特に経営者は、自分の自慢話を本にしたいと言います。
本人は「成功した体験を語りたい」というのですが、読者から見たらそれはどう表
現しても自慢話なのです。
「本を書いた後のイメージ」を聞くのは、「引き寄せの法則」の効果を狙うためです。
私たちの脳は複雑なわりには、意外と単純で、過去と未来の区別もできません。
紙に書いた「なりたいイメージ」が視覚を伝って脳内にインプットされると、その
夢に向かって無意識に行動するようになります。
思考や行動や生活習慣がちょっとずつ変わるのです。
私が本作りに関わった方は、本が出て2年くらい経って「あなたは本を書いた後、
どうなりたいですか?」というメモを再び見てびっくりします。
「全部、現実になっている!」と言うのです。
「本を書いた後のイメージ」は、ボールペンではなく、
赤いマジックペンで書くことがコツです。
普段とは違う文字の大きさ、違う色で書くと脳に強くインプットされます。
その夢を実現するために、考え方が変わり、時間の使い方が変わり、つきあう人が
変わり、入ってくる情報も変わっていきます。
そして、本を出すことによって、人生のステージがワンランクアップし、いとも簡
単に自分の夢をかなえてしまうのです。