本はひとりで書く孤独な作業ではない ~ネタの集め方はどうするのか?

 

 社長が一番食いつく情報は何だと思いますか?

 これは経営者11万人が読んでいる日本一のビジネスマッチングサイト、WizBi

z( ウィズビズ)の社長、新谷哲さんから教えてもらったことですが、

「朝礼のネタを配信したとき、メールの開封率が一番高かった」そうです。

 日本の社長は、朝礼で何を話そうか、毎日、悩んでいるんですね。

 

『一天地六の法則』(カカトコリ サンマーク出版)という本をプロデュースしたこと

があります。これは、朝礼ネタを83本集めた本ですが、もとも著者の朝礼ネタは

大人気で、サーバーが6回もパンクしていました。

 本のテーマは「ものの見方や価値観を180度ひっくり返す」ことです。

 このとき、私の会社に著者を含めて10人ほどの有志に集ってもらい、「ネタ出し

会議」をやりました。すると、おもしろいように100本以上のネタが出ました。

「日本の国旗の日の丸は、旗の真ん中にあるんじゃなくて、左側に1%ずれている」

「4億年生きているクラゲがいるって知ってる?」

「飛行機が飛ぶのはじつは科学的に証明されていないんだって」

「世界最古の名刺は石だった!」

 

 みんなで集ってアイデアを出し合うと、ネタの内容がおもしろいかどうか、

 参加者の反応によってリアルにわかります。ネタの選別もそこでできるのです。

 

『朝バナナダイエット』(ぶんか社)の作者のはまち。さんは、ミクシィで朝バナナの

効果を実践してくれる無料アドバイザーを募り、1年以上データを集めました。

 そして、300件を超える成功報告を元に本を出版し、ミリオンセラーを作り出しました。

 

 このように、ネットのソーシャルメディアを利用して本を作る方法もあります。

 

 これは私の実例ですが、アンケート調査会社を使って本を書いたことがあります。

『老後の予習 不安を解決する60のポイント』(吉田浩 文芸社)

「あなたは自分の老後にどんな不安を持っていますか?」

 という質問をして、回答をマーケティングリサーチ会社、ハー・ストーリィに依頼し、

1000人のアンケート結果を集めてもらいました。

 

 本を書くとき、ネタ集めの方法は、作家の数だけあると言ってもいいでしょう。

 インターネット、書店、古本屋、図書館、テレビ、ラジオを利用するもよし。

 新聞、雑誌、会報誌、専門誌、大宅文庫のストックデータを閲覧するもよし。

 専門家、研究者、評論家、大学教授に聞いてもいいでしょう。

 私のように、アンケート調査会社を利用する裏技もあります。

 一番よい方法は、ひとりで悩むのではなく、たくさんの人に相談することです。


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