パチンコに1億円使った社長の「あたりまえ」~USPの見つけ方

熊本に住んでいる経営者の本作りをお手伝いしました。私はその方に、
「あなたが過去に一番使ってきたお金は何ですか?」という質問をしました。
すると、彼は、「パチンコ」と答えました。

 

「いくら使いましたか?」と聞くと、「うーんと、1億円くらいかな」

私はびっくりしました。普通の人は、そんなにパチンコにお金を使いません。
しかし、彼はきょとんとして「えっ、1億円くらい使うでしょ?」と言うのです。
(使いません!)

 

よくよく話を聞いてみると、毎週、土日にパチンコ屋さんに行き、負けるときには20
万円から30万円負けるそうです。たしかに、そんな生活が何年も続くとトータルでは
1億円くらい使うかもしれません。
また、地元の経営者で彼のパチンコ仲間もそれくらい「パチンコ台に貯金している」
そうです。

 

これは本人が「あたりまえ」と思っているのですが、「そんなことは、なかなかない」
と周りの人がいくら説明してもわかってくれません。

 

なぜならば、私たちはだれもが主観的に生きています。自分の背中を自分で直接見る
ことのできないように、客観的に自分を見ることはできないのです。

 

この「なかなかない」探しが本を書くテーマになります。

 

私は熊本の社長の「パチンコ貯金1億円」をヒントにして、彼の「逆張りの生き方」
をテーマに、『満員電車に乗らない生き方』(吉角裕一朗 学研)という本を作っ
ています。

 

このように、ちょっとありえない体験や信じられない経験などが本になります。
この「ありえないこと」を「USP」と呼びます。
「USP」とは「ユニーク・セリング・プロポジション」のことで、直訳すると、
「個性的で、売り込みできる、主張」のことです。

 

難しい言葉で「卓越性」と言います。
やさしい言葉で「ウリ、強み」です。

 

USPを見つけるための簡単な方法は、「お金軸」と「時間軸」です。
あなたが過去に使ってきたお金や時間が本を書くテーマとなります。

 

では、あなたのUSPはどうしたら発見できるのでしょうか?
これは、あなたに、たった3つの質問をするだけで見つかります。

 

【第1の質問】 小さいときから好きなことは何ですか?(継続)
【第2の質問】 時間を忘れて没頭してしまうことは何ですか?(集中)
【第3の質問】 他の人が「なかなかやっていない」ことで、
        あなたがやっていることは何ですか? (卓越)

 

この3番目の「他の人がなかなかやっていない」というのが、ミソです。
本のテーマを発見するには、「なかなかない探し」が不可欠なのです。
「なかなか」とは、「予想した以上に」「意外に」「かなりに」という意味です。

 

漢字では「中中」と書きますが、中の中ではなく、中の上くらいに得意なことがあ
れば、それがあなたのUSPであり、本を書くテーマとなります。

他の人が「絶対にやっていないこと」つまり、「上の上」の経験があればベストで
すが、そんな人は数えるほどしかいません。

 

USPを「上の上」に設定するとハードルが上がって、乗り越えることができなく
なってしまいます。
他の人がやっていてもいい、でも、「なかなかいないよね」というのがあなたの
テーマなのです。


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