文章がヘタクソでもベストセラー作家になれる!

2016年05月09日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■ネットから新しいタイプのベストセラー作家が出現

今週は、ガラリと視点を変えたベストセラー論です。

今、インターネットから100万部を突破する
ベストセラーが続々と誕生しています。

結論から言います。
「文章がうまく書けない人でも、ベストセラー作家になれる」
可能性があるのです。

「えっ、そんなことってあるの?」
と疑問に思う人もいるかもしれませんが、
今、出版の業態が大きく転換しています。

既存の本の在り方や、作家という概念自体が変化しているのです。

まず、第1例は「携帯電話」です。

携帯電話を媒体にして100万部売れた本があります。
『Deep Love』です。(著者はyoshi)

最初に、『Deep Love』の文章を読んだとき、
吉田は、「小学6年生の文章だなあ」と思いました。

1行1行が短く、台詞がとても多くて気になりました。

ところが、この内容は、携帯電話で転送され、
500万人のハイティーンが閲覧しました。

その結果、紙媒体で出版されると、
あっと言う間にミリオンセラーになってしまいました。

ある編集者が吉田にアドバイスしてくれました。
「吉田さん、あれは、本ではなく、道具なんです。
女友だちとお茶しているときに、
『これ、おもしろいよ』見せっこする、
コミュニケーションツールなんです」

あっ、なるほどね。
これは、書籍の形態が大きく変わって来た前兆でした。

第2例は、「ネット上の掲示板」です。

「2ちゃんねる」から誕生した読者参加型の体験記が、
あの有名な『電車男』です。(著者は電車男)

好きな女性とデートもできないオタクに対して、
たくさんの2ちゃんねらーがアドバイスをしました。

誹謗中傷が日常茶飯事の2チャンネルの中で、
逆に、美談として登場したことが大ヒットにつながりました。

第3例は、「ブログ」です。
blogは、ホームページよりも数分の1の労力で作成できます。
利用者も、あっと言う間に数千人規模になりました。

『実録鬼嫁日記』(著者はカズマ)は、
ドラマ化され、シリーズ化されました。

特に、ブログ出版に力を入れているアメーバブログでは、
カズマが受賞した当時、優勝賞金1000万円という
破格の賞金を出していました。

これは余談ですが、「ブログ」という言葉で、
カズマは、流行語大賞まで受賞してしまいました。

■ネット上のベストセラー作家に必要な力は何か?

以上、3例を紹介しましたが、
ネット初のベストセラーに、文章力はまったく関係ありません。

逆に、文章力がありすぎる作家は、
ネットでは成功できないかもしれません。

Q,それでは、ネットで成功する作家なるには、
  どんな力が必要なのでしょうか?

A,「テーマ」という答えを述べたあなた、正解です。

その人の日常体験や日常生活を描いた作品がベストセラーになりました。

A,「リアリティ」と解答したあなた、それも正解です。

どの作品も、現実的です。
リアリティがあるからこそ、
読者は「共感」してくれるのです。
「リアリティ」と「共感」は二者一体なのです。

A,さて、私なりの答えです。
  吉田が、もっとも重要だと思っているのは、「感性」です。

読者の興味を引き付ける構成や展開。
著者特有の間のとり方や息づかい。
これらの感性は、文章力では補えないのです。

ネットベストセラー作家の感性は、著者だけが培ったものであり、
技術的に教えたり教わったりできないです。

今、「おれは、作家として才能がないのではないか?」と悩んでいるあなた、
今、「私は、ライターとして力がないのかもしれない」と悔やんでいるあなた、

ネット作家でデビューしたら、
もしかしたら大ブレイクする可能性があります。

吉田は、これから、既成の価値観に捉われない
まったく新しい超スーパーベストセラー作家が
どんどん誕生してくると確信しています。

そして、あなたもそのひとりかも知れないのです。

出版愛 吉田浩