あなたの「置き場所」はどこですか?

2017年05月17日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■ほとんどの著者は迷子で一生を終えてしまう

今日のメルマガは、
「あなたの勝負する土俵」=「ベストセラーを出すジャンル」
を見つけようというお話です。

人間は、だれでも自分の才能を100%発揮できる場があります。

しかし、ほとんどの人は、その場を探そうとはしません。
そして、全力を発揮することなく、
たった一度きりの人生を空振りで終えてしまいます。

たとえば、ソフトバンクホークス元監督の王貞治は、
野球でホームラン世界記録を樹立しました。

もし、王さんが野球選手ではなく、
サッカー選手やバスケ選手を目指していたら、
きっと、3流の選手で終わっていたでしょう。

逆に、プロレスのジャイアント馬場は、
もともとは巨人のピッチャーだったのですが、
風呂場で転んで怪我をして、野球を断念。
プロレス界に転身して一時代を築きました。

王さんも馬場選手も、
自分の「置き場所」を見つけたために大成したのです。

もうひとつ、具体例をお話しましょう。

吉田の大好きなマンガで『ぼのぼの』(いがらしみきお)
という4コママンガがあります。

ラッコの子どもが主人公の哲学的なマンガなのですが、
最初の単行本は1冊あたり100万部売れました。

なぜ、そんなに本が売れたのでしょう?

『ぼのぼの』の「置き場所」=掲載誌は、
竹書房の月刊誌『まんがライフ』が最適だったのです。

もし、『少年ジャンプ』や『少年マガジン』に連載していたら、
シビアな読者アンケートの集計結果によって、
3ヵ月で打切りになっていたでしょう。

国民的アニメ『クレヨンしんちゃん』(臼井儀人)もそうです。

1990年『週刊漫画アクション』でスタートし、
途中で『まんがタウン』に移籍しました。

作者の臼井儀人さんが亡くなった現在も、アシスタントたちによって、
『新クレヨンしんちゃん』として連載が続いています。

『クレヨンしんちゃん』も、他の雑誌で連載していたら
ここまでブレイクしなかったかもしれません。

このように、「作品」と、「発表媒体」が一致しないと、
ベストセラーは生まれないのです。

これを吉田は、「著者の置き場所」と名づけました。

■あなたの「置き場所」を見つけるヒント

Q,あなたの「置き場所」を見つけるにはどうしたらよいでしょうか?

A,それには、2つの作業が必要です。

1,本を書いてベストセラーになるジャンルを見つけます。

2,どこの出版社に持ち込むかを決めます。

あなたは、まず、どんなジャンルで
勝負するかを決めなければなりません。

充分、気をつけてください。
この「置き場所」を間違えると、
一生空振りで終わってしまいますよ。

これから本のジャンルと過去のミリオンセラーを列挙します。

ここでピンとくるものがあれば、それが
あなたの「置き場所」かもしれません。

●ビジネス書
ここでは、「ビジネスマン向けの本」という狭義の意味です。
『頭がいい人、悪い人の話し方』PHP研究所(樋口裕一)

●自己啓発書
自己変革を促し、成功を目指す本です。
『思考は現実化する』きこ書房(ナポレオン・ヒル)

●啓蒙書
偉人の教えを学びます。
『道をひらく』PHP研究所(松下幸之介)

●指南書
明確なテーマで、人生そのものを教えます。
『生きるヒント』文化出版局(五木寛之)

●自伝
著者やその家族に国民的な関心が必要です。
『弟』幻冬舎(石原慎太郎)

●苦労談
人生の応援歌です。
『五体不満足』講談社(乙武洋匡)

●体験談
社会的な事件や流行が含まれます。
『積木くずし』桐原書店(穂積隆信)

●癒し系
読者ターゲットは女性ですね。
『光に向かって100の花束』1万年堂出版(高森顕徹)

●エンタメ系
雑学本などはすべてこのジャンルです。
『トリビアの泉』講談社(フジテレビトリビア普及委員会)

●ペット系
実にたくさんのペット本が映画化されています。
『盲導犬クイールの一生』文芸春秋(石黒謙吾)

●入門書
手紙の書き方やマナーの本でもベストセラーがあります。
『冠婚葬祭入門』光文社(塩月弥栄子)

●専門書
ひとつのことを掘り下げて書いた本です。
『バカの壁』新潮社(養老猛司)

●健康書
『家庭の医学』なども数百万部売れています。
『医者からもらった薬がわかる本』法研(木村繁)

●歴史書
NKHの大河ドラマならミリオンセラーも可能。
『国盗り物語』新潮社(司馬遼太郎)

●宗教書
いつの時代にも必ず需要があります。
『太陽の法』幸福の科学出版社(大川隆法)

●童話・絵本
表現手段として童話や絵本はとても効力を発揮します。
『窓際のトットちゃん』講談社(黒柳徹子)

ここから、●暴露本 ●学術書 ●戦術書 ●哲学系
●研究書 ●資格書 ●起業系 とまだまだ続くのですが、
スペースの都合上、打ち止めにします。

最後に、ベストセラーを出すために重要な決定条件がひとつあります。

それは、本の内容が「オンリーワン」であることです。
過去に出ている本と比較して、勝っている部分が必要です。
これがないと、新たに本を出す意味もありませんよね。

出版愛 吉田浩