「逆算方式」でベストセラーを作り出す!

2016年09月21日

こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。

■「加算式」の本は売れない

今まで、ベストセラーの創出方法として、

「ベン図方式」とか、
「かけ算方式」とか、
「2DD方式」とか、
数学を応用した手法を数多く説明してきました。

さて、今回は、「逆算式」でベストセラーを作り出そう、です。
まず、書籍には「加算式」と「逆算式」の本の作り方がある
と、覚えてください。

「加算式」から説明していきましょう。

通常の本作りは、「加算式」で成立しています。
以下のような流れで本作りは進行します。

○著者の書きたいテーマがある。
    ↓
○著者はテーマに沿って構成を考える。
    ↓
○著者の満足のいく本ができる。
    ↓
○本が発売されてから販促活動をする。

「逆算式」は、この流れが逆になります。

○大前提として、売れる本を作ることからスタートする。
    ↓
○そのために、売れる本を書ける著者を探す。
    ↓
○読者の喜ぶテーマを決める。
    ↓
○読者の満足する本ができる。

もっと簡単にいうと、
「加算式」とは、著者ニーズの本作りのことです。
「逆算式」とは、読者ニーズの本作りのことです。

ひとりよがりの本は売れません。
読者が喜ぶ要素がない本は売れません。
現在出版されている本の約8割が「加算式」です。

■書きたい本は、絶対に書かせるな

「逆算方式」で、100万部売れた実例を紹介しましょう。

『弟よ』(石原慎太郎著・幻冬舎)

この本は、最初から100万部売ることを目標として出版されました。
幻冬舎の見城社長は、石原慎太郎に何度も手紙を書き、
やっと本作りが許可されると、100万部売れる企画を3本持っていったそうです。

ここで最も重要なポンイトは、

「著者に書きたい本を書かせてはならない!」

と、言うことです。

このとき、石原都知事に書きたい本のタイトルを聞いたら、
『東京カジノ計画』と言ったかもしれません。

でも、それは、「加算式」の本作りなのです。
『東京カジノ計画』という本だったら、
たぶん、3万部くらいしか売れなかったでしょう。

日本国民ならば、石原裕次郎が一世風靡した
映画俳優であることをだれでも知っています。
そして、石原慎太郎はその実兄ということも……。

石原慎太郎に書いてもらって、一番売れる本のタイトルは、
やっぱり、『弟よ』しかないのです。

幻冬舎は、この「逆算式」本作りを、
意図的に、組織的に、継続的にやっています。
だから、日本一ベストセラーの生産量が多いのです。

もうひとつ、「逆算式」ですごい反響があった、という例を述べます。
ある時、有名版元から天才工場に、こんな依頼がありました。

「斎藤茂太さんが著者で、30万部売れる本の企画を考えてくれ」

著者を押さえたから、その著者が書いたら一番売れる企画を
作ってくれというわけです。まさに、「逆算」ですね。

天才工場のメルマガで募集したところ約30本の企画が集まりました。
その中で採用されたのは、このタイトルです。

『モタ先生の人生もっとモタモタしなさい』

込み入った事情があり、結局、この企画は依頼版元では出版されなくなり、
「企画のたまご屋さん」を通して全国500人の編集者にメールで売り込みました。

その結果、どうなったか?

2~3時間で15社から出版採用通知をいただき、
慌てて「企画売り切れました」の緊急メールを発進しました。

結局、この本はタイトルを少し変えて、
マキノ出版さんから出版されました。

「逆算式」は、編集者にも受けがよく、
企画の採用の可能性も飛躍的に高まるのです。

出版愛 吉田浩
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