「2次元ディスプレイ」=2DDという発想
2016年08月24日
こんにちは、出版業界のジャイアン、吉田浩です。
■ロングセラーが10冊あれば左うちわかも?
吉田が代表を勤める編集プロダクション「天才工場」では、
明日香出版社の本を50冊以上作っています。
そして、約7割の書籍が重版しています。
もっとも売れている本は、
『孫子の兵法がマンガで3時間でマスターできる本』で、
なんと、54刷です。(2002年発行)
54刷ということは、追加で54回も印刷されたということです。
次に売れている本は、
『ランチェスター戦略が3時間でマスターできる本』
(著者 田岡佳子先生 2001年発行)
こちらは、49刷です。
発行から5~6年経った後でも、
年に何回か重版がかかりました。
そのたびに、20~30万円の印税が入ってきます。
何もしなくても、毎月お金が入ってくるなんて、すばらしいですね!
こんな本が10冊もあれば、著者はさぞかし幸せでしょう。
さて、明日香出版社でロングセラーとなったこの本ですが、
吉田は、最初から長く売れ続けることを狙って
「マンガシリーズ」の第1冊目を企画しました。
いつまでも読み継がれる本ならば、
いつまでも本屋さんが棚に残してくれるだろうと思ったのです。
そして、当時、社長だった石野誠一さんに
第1冊目として、「ランチャスター戦略」を提案しました。
第2冊目として、「孫子の兵法」を提案しました。
「ランチャスター戦略」も、「孫子の兵法」も、
大型書店に行けば、必ず何冊かあります。
吉田は、これをマンガで表現することによって、
そのカテゴリーの中で、一番簡単にわかる本を作りたかったのです。
■点でなく、線でなく、面でベストセラーを出す
その後、明日香出版のマンガシリーズは順調に売れ続け、
天才工場で作った本も、平均2~3万部は売れています。
そこで、また、私は石野社長に提案しました。
「大河ドラマをマンガでやりませんか?」
「大企業の紹介をマンガでやりませんか?」
「歴史家の思想をマンガでやりませんか?」
石野社長に、すべて快く了解していただき、
天才工場は、どんどんマンガ書籍をシリーズ化していきました。
大河ドラマシリーズとしては、
『五輪書のことがマンガで3時間でマスターできる本』
『義経のことがマンガで3時間でわかる本』
『山内一豊のことがマンガで3時間でわかる本』
『風林火山のことがマンガで3時間でわかる本』
大企業シリーズとしては、
『マンガで3時間でわかる がぶり ソニー』
『マンガで3時間でわかる がぶり トヨタ』
『マンガで3時間でわかる がぶり キャノン』
『マンガで3時間でわかる がぶり サントリー』
歴史家の思想シリーズとしては、
『論語のことがマンガで3時間でマスターできる本』
『憲法のことがマンガで3時間でわかる本』
世界の国シリーズでも制作を任せていただきました。
『北朝鮮のことがマンガで3時間でわかる本』
『韓国のことがマンガで3時間でわかる本』
『アフリカのことがマンガで3時間でわかる本』
Q,その結果、書店で何が起こったでしょう?
A,明日香出版社のマンガシリーズは書店の棚に常備され、
2次元的なディスプレイ販売が可能になったのです。
これを吉田は、
「2次元ディスプレイ」=2DDと呼んでいます。
Dは、ディメンションとディスプレイのDです。
書店で1冊だけ棚ざしされた本は非常に見つけにくいのですが、
10冊も20冊もシリーズとして並べられることによって、
10倍も20倍も目立つようになったのです。
そして、他の本より際立つことによって、読者は手にとり、
その結果、さらに他の本まで売れてしまうのです。
これから本を作るときには、単発で出版するのではなく、
最初からシリーズ化できるかどうかを考えてください。
本がシリーズ化されれば、10倍も20倍も売り上げが違うのですから。